【アウラインターナショナル 右近雅也代表取締役社長】 〈スタート半年で会員数4万人に〉初年度売上高60億円を目指す

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 ヒト幹細胞培養液のスキンケアシリーズ「アクアージュ」をネットワークビジネス(NB)で展開するアウラインターナショナル(本社福岡県、右近雅也社長)は19年7月のグランドオープンから半年間で会員数が約4万人、売上高35億円に到達するなど急成長している。19年11月19日には、大阪府内で「2ndコンベンション2019」を開催、全国から2700人の会員を集めるなど勢いを増している。初年度売上高60億円を目指す右近雅也社長に、好調要因と今後の事業展開について聞いた。

 ─グランドオープンからこれまでの業績の進捗について聞きたい。
 19年7月のグランドオープンから12月までの6カ月間で売り上げは35億円を超えた。10月は7億2000万円、11月は5億円、12月は5~6億円で推移している。
 会員の85%を50代後半の女性が占めている。幹細胞培養液に対する消費者の期待の高さに加え、国内外のミスコンやミセスコンテストなどに積極的に協賛していることも会員の支援につながっている。
 NB業界の正しい認知を広げることを目的に、一般財団法人児童虐待防止機構オレンジCAPOに協賛し、主力の「ジェル」1個の売り上げに付き10円を寄付している。また、SDGsへの取り組みの一環として、公益社団法人日本青年会議所(JCI)と提携し、売り上げの一部を寄付するなど「SMILE by WATER(スマイル・バイ・ウォーター)」をサポートしている。19年11月19日に大阪で開催したセカンドコンベンションでは、JCIの道川内知副委員長から感謝状を頂いた。
 NB業界にこれまで携わったことがない人をどれだけ巻き込めるかを目標に据えている。NBで活動することそのものが社会貢献につながる。社会貢献活動を通じて、「NBには登録したくない」と敬遠してきた経営者や女性との接点を広げていきたいと考えている。
 ─越境ECにもチャレンジすると聞く。
 中国のライブコマースに新規参入することを検討している。「2018年ワールドミセスチャイナコンテスト」の日本大会グランプリの林珠(リン・シュウ)さんを当社のライバーとして招聘し、ライブ配信を開始する。
 ECでは、スキンケア「アクアージュ」を販売する。すでに中国の貿易展示会「広州交易会」に出展し、世界各国のバイヤーと商談を始めている。今年5月には化粧品博覧会の「上海エキスポ」への出展が決まっている。日本製品に対する期待の高さを感じている。
 会員が海外でリクルートして組織を広げるという従来型のモデルでなく、主宰企業である当社が現地で直接ECで物販を行い、収益の一部を日本国内で一定の条件を達成したNB会員に分配するという仕組みを考えている。
 これは、当社の立ち上げの時期に製品の発送が遅れたり、事務的なご迷惑をおかけしながら、離れずに応援してくれた現在の会員に恩返しをしたいという気持ちからだ。この施策は、会員からの期待が高く、条件を早期に達成したいという会員の機運も好調な業績を後押ししている。
 ─初年度(20年6月期)の売上高は60億円を見込んでいる。
 日本アムウェイがグランドオープンした初年度の売上高は60億円だったと聞いている。当社はこの初年度記録を国産企業として達成したい。2020年は東京五輪もあり、国内の市場は盛り上がる。
 ─美容をテーマにした製品を販売しているが、ジャンルを広げる予定は。
 「健康」をうたう製品については法規制の課題もあり、現段階で商品ジャンルを広げようという考えはない。経営リスクの面から考えても、美容をテーマにしたほうが良いと考えている。
 「幹細胞培養液」のブームがいつまで続くかを見極めた上で、バージョンアップを図っていく。国内では「幹細胞培養液」が約4年前から販売されているが、今年はいよいよ市場が盛り上がりを見せるのではと期待している。
 ─コンプライアンスにも力を注いでいる。
 私自身はこの分野に特に力を入れていきたい。このほど、社内にコンプライアンス担当部長を置いた。全国の主要都市で毎月開催するリーダー会議でコンプライアンスセミナーを開催している。また、コンプライアンスのルールブックを社内で作成し、製品を発送する際に同梱している。
 今年は、コンプライアンスに特化したセミナーを開催する。セミナー受講をコミッションを得るための条件にすることも検討する。より正しい知識を身に付ける機会を増やしていきたい。
 ─サテライトサロンも始める。
 製品を購入できるチャネルを多様化させることを目的に、会員にサロンを設置してもらい、製品との接点を広げる。47都道府県に100店舗のサロン網を構築していきたい。
 ─令和の時代に右近社長が目指す理想のNB主宰企業とは。
 まずは、30年間に渡って事業を継続できるNBを目指したい。NB業界に元気がないと感じている。こうした状況を打破できるような企業になりたい。
 そのためには、これまでのNB企業と同じような戦略では達成できない。どの企業もやったことがないことを実施することで組織を広げていきたい。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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