【グラント・イーワンズ 稲井田章治社長】商品別チーム制導入し活性化を図る

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 体型補正下着を商材にネットワークビジネス(NB)を展開するグラント・イーワンズ(本社福井県、稲井田章治社長)は、大型新商品として機能性下着「XMAG(エックスマグ)」の販売が好調だ。同下着は磁気治療器としての機能を持ちつつも薄く軽いという特性を持つ。商品別のチームを組織に導入し、活性化を図っているという。同社では、19年7月に関連会社として立ち上がったストレッチサロン事業の新会社に対する、商材・ノウハウの供給も開始している。新会社では20年中に100店舗の展開も視野に入れているという。同社の稲井田社長に話を聞いた。

■大型新商品は好調

 ─19年4月に発売した「XMAG」の売れ行きは。
 好調だ。10月までの段階で、XMAGだけで6億円超を売り上げた。月に1億円のペースで売り上げが上がっている。XMAGについては初年度10億円を目標に展開を進めている。

 ─販売好調の要因は。
 商品別チーム制を導入したことの影響も大きいのではないかと思っている。XMAGだけではないが、19年からは商品別チームを導入する取り組みを行っている。全国に330人いる統括代理店の内、一部の人を、商品別にチーム編成するというものだ。5~6人程度のチームでそれぞれの商品の販売目標や、進捗状況などを把握し、目標達成に向けたアイデアを出し合うという取り組みだ。チームのメンバーはSNSなどを通じて日々連絡を取り合っている。「XMAG(エックスマグ)」のチームの他に、化粧品「DR LALA Grant(ドクターララグラント)」のチームや、主力下着「LALA(ララ)」のチーム、フィットネスサロン「AUBE FOR ONE(オーブ フォー ワン)」のチームなどがある。自分のチームの担当する商品の売れ行きが上がったからといって、特別なボーナスを支給するわけではないが、皆、高い意識をもって、担当商品の売り上げアップに向けた取り組みを行ってくれている。

 ─チーム制を導入した狙いは。
 チーム制を導入したのは会員に、ビジネスや会社に、より主体的に関わってもらいたいという思いがあったからだ。会社の業績が伸びれば当然、会社はつぶれない。ただ、社長一人が会社を存続させられるわけではない。会社を存続させるのは、社長である私ではなく、会員の皆さんだ。一つ一つの商品の売り上げ拡大に、一人一人が「自分のこと」として取り組んでもらいたいと考えた。また、チームワークの中、皆で仲良く、一つの目標に向かって動く楽しさを感じてもらいたいという思いもあった。
 チーム編成は、組織のグループ構成とは無関係に行った。化粧品について知識や経験、ノウハウを持っている人は化粧品のチームに、下着に思い入れが強い人は下着のチームへ、といった感じでチーム構成を行っている。人間はだれしも、自分が好きなこと、得意なことで、みんなに認められたいという思いをもっている。一人一人が、自分の持っている能力を用いて皆に貢献する。そして、そのことを通じて、その人自身のモチベーションもさらに高めていければと考えている。
 今回、チーム編成を行ったメンバーは30~40代が中心だ。次代のグラント・イーワンズの屋台骨を担ってくれるメンバーだと考えている。

 ─直近の業績について教えてほしい。
 19年9月期の当社単体の売上高は、上代ベースで101億円だった。下代ベースの売上高は、前期比10%増の77億円だった。グループ総売上高は上代で110億円、下代で85億円だった。

 ─19年注力したことは。
 19年7月に、関連会社として立ち上がった、ストレッチ事業の新会社オーブウィズ(本社東京都、出蔵美帆社長)に対する商材とノウハウの提供を開始した。オーブウィズでは、「axial stretch(アキシャルストレッチ)」のブランドで、ストレッチサロンの展開を行っている。8月には銀座SIX店のオープン記念パーティーを開催。11月には名古屋店をオープンした。年明けには大阪などでのサロンオープンも予定しており、20年には100店舗をオープンする予定だ。

 ─どのようなサービスを提供しているのか。
 フィットネスの「つらい」「苦しい」「大変だ」といった部分を取り去り、「気持ちいい」「楽」「これなら続けられる」と言っていただけるサービスを志向しているのが特徴。「肩・腰こり改善コース」「深眠コース」「レッグリフォームコース」など、コースもバリエーション豊かなものを用意している。各コースでは、ストレッチサービスと、当社が強みを持つ機能性インナーを、組み合わせて提供している。

 ─どのように店舗を拡大させていっているのか。
 既存の店舗運営事業者にパートナー企業になってもらい、コラボをしながら、店舗網を拡大させていっている。エステや美容室を展開する事業者の中には、集客の伸び悩みで苦戦をしているケースも少なからず見受けられる。そうした事業者とコラボをすることによって、ストレッチを集客の柱にすることを提案している。


■総売上135億円目指す

 ─2020年9月期の業績目標は。
 関連会社まで含めた、広い意味でのグループ全体の総売上高として上代で前期比約30%増の135億円を目指している。ストレッチ事業の売上高として10億円を見込んでいる。その他、海外展開でも売り上げが上がると見込んでいる。グラント・イーワンズの会員である事業者をサポートするため、インターネットを使った集客支援の仕組みづくりにも取り組んでいく。
 商品別チームなどの取り組みをますます活性化させつつ、業績を全体的に伸ばしていきたいと考えている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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