【ジャパネットホールディングス 高田旭人社長】広告表示ルール、全社に浸透させる

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 ジャパネットたかた(本社長崎県、高田旭人社長)は18年10月、景品表示法に違反したとして消費者庁から措置命令を受けた。同社の持ち株会社で、グループの経営戦略を担うジャパネットホールディングス(HD)の代表も兼務する高田社長は、「措置命令は大きな転機」と語る。高田社長に18年の取り組みや19年の計画を聞いた。


■エアコン販売数40万台で新記録

──18年はどのような点に主眼を置いて経営してきましたか。
 社長就任以来、通販はサービスや商品といった中身を大事にすることに取り組んでいる。その一環として18年、チャータークルーズで初めて日本を2周した。利用された約7000人のすべてがジャパネットのお客さまだ。衝動買いに近い形で買っていただいたお客さまに、後悔させないことをテーマとして1年間やってきた。商品では設置サービスが伴うエアコンが年間約40万台売れ、新記録だった。エアコンやテレビの設置数は年間数十万件になるが、設置品質の維持は難しい。設置サービスの会社(16年にジャパネットフィールドサポートとして設立、18年に物流部門と統合しジャパネットロジスティクスサービス)を設立して2年たったが、ようやくお客さまの満足度という点で胸を誇れるようになってきたと感じている。

──販売商品を修理するアフターサービスのグループ会社、ジャパネットサービスパートナーズへの需要はいかがですか。
 順調に推移している。ここ数年、売上高や購入者数は増えているが、問い合わせ件数は減っている。取扱商品のうち、販売後に問い合わせの割合が多い商品は翌年売らないと判断している。バイヤーとしては売れるので収益面からも継続したいところだが、アフターサービスチームによる指摘によって取り扱いをやめた。そういうことを積み上げていくことで品質が高められていると思う。


■価格訴求的な表現に走りすぎていた

──カタログやDMを見ていると、多少価格訴求に走っているとの印象があります。
 消費者庁から景品表示法の規定に基づく措置命令を受けたこととも関連しているが、売り方として価格訴求の方が楽になってしまうケースがあった。措置命令を受けたことは、当社にとって大きな転機にしなければならない。本来、サービスや商品の良さをお客さまに伝える販売チームが、自社のサービスや商品についても勉強して、「自分たちはここまで中身にこだわっているんだ」ということを理解した上で、言葉で伝えていくのが正しい形だ。けれども、時間がなかったりすると「安いですよ」という売り方になってしまうことがある。自社の番組や媒体を見ていて、「何でサービスのいいことを言わないのだろう」と思うけれども、みんな中身のことを理解せずに「値引きです、今日だけです」ということに走りすぎていた。現在、値引き表現をどれだけ減らすか、もっと自分たちの商品の良さを知るために勉強して、ちゃんと自分たちの言葉で伝えていくことに向けてシフトしている段階だ。新年には毎年会社でキーワードを設定しているが、19年のキーワードは「本質を理解する」というテーマを全社的に掲げている。自分たちが取り扱っている商品やサービスの本質をみんなが理解して、自分たちの言葉で伝えていけるようにする。


■前期連結売上高は2020億円強に

──18年12月期の売上高は、どのくらいの着地となりそうですか。
 2000億円を目標にしていたが、グループ連結で2020億から2030億円の間くらいになりそうだ。過去最高の数字はクリアする。売り上げが伸び続けるのは大事だけれども、それだけを追っても駄目で、2020億円の中身のところを少しずつ良くしようと思っている。クルージングのように、1度乗ったらまた行きたいと思っていただける商品を増やしている。これまでのような一度家電を買ったら、次に買うのは5年後ではなく、ウォーターサーバーのように毎月届く商品だとか、スマートフォンのように毎月契約するものとか、そういった商品構成にシフトしながらなので、そういう意味ではいい形で成長していると思う。
──19年に計画していることは何ですか。

(続きは、「日本流通産業新聞」2019年1月17日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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