【インタビュー】 ハルメクホールディングス 宮澤孝夫代表取締役社長/HD制は成長への布石

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 出版や通販事業を手掛けるハルメク(本社東京都、宮澤孝夫社長)は今年4月2日付で、持ち株会社の「株式会社ハルメクホールディングス(HD)」を新設するなど、大幅な組織変更を行った。組織変更の狙いと今後の抱負について、ハルメクHDの代表を兼務する宮澤社長に聞いた。


■HD以外に2社を新設

 ─今年4月、ハルメクHDを設立して持ち株会社に移行する組織変更を行いました。組織変更の理由は。
 狙いは二つで、一つはさまざまな意味でのシナジーの創出。もう一つは新しい事業を生み出して成長力を高める目的からだ。シナジーをさらに分解すると、コスト削減と生産性向上を狙っている。人件費や物流費が上がっており、それに対する防衛策だ。いずれはグループ内のフルフィルメント業務を統合していこうと考えている。

 ─資本関係はどうなっていますか。
 ハルメクHDがハルメクと全国通販の全株式を保有している。HD自体はノーリツ鋼機の完全子会社だ。HDは持ち株会社とともに、人事や経理、財務、経営企画も管轄している。

 ─組織変更の際に、ハルメク・エイジマーケティング、ハルメク・ビジネスソリューションズという会社を新設しています。新設会社の役割は。
 ビジネスソリューションズは、ハルメクと全国通販のフルフィルメントを統合した会社で、フルフィルの統合効果を発揮する目的で設立した。エイジマーケティングは成長力を高めるための新しい会社だ。ハルメク内にあったCRMマーケティングの受託サービスを分離・独立させた。昨年単月度黒字となり独り立ちできるめどが立ったからだ。シニアビジネスのマーケティング支援を行っているが、通販事業者のクライアントはいない。高齢者用の施設や、お墓などのマーケティングにCRMの考え方を入れて、見込み客を作りながら、お客さまを獲得していくお手伝いをしている。

 ─もともとあったハルメク・ベンチャーズはどういう会社ですか。
 新規事業としてスタートしており、現在メインで取り組んでいるのは、郵送型の血液検査キットだ。生活習慣病やがんのリスク診断ができる。この事業は順調で、テレビのニュースや情報番組でも取り上げられている。


■柱は通販事業、独自商品7割

 ─グループの主力となるのはハルメクの事業だと思います。通販と出版ではどちらの規模が大きいですか。
 通販の方がかなり大きく、売り上げ規模、利益とも通販が柱になっている。

 ─月刊誌「ハルメク」の発行部数は。
 17年度下半期の実売で16万部だが、現状は20万部を超えており、雑誌の定期購読者に通販カタログを同封している。ハルメクはもともとユーリーグという社名で、その後社名をいきいきに改称し、さらにハルメクに変更したが、いきいき以来20万部を超えたのは初めてだ。前期は購読者が減っていたが、昨年後半から持ち直してきている。通販カタログはハルメクの読者と過去の読者に送付している。カタログの部数は毎月30万~40万部くらいだ。

 ─ハルメクはシニアに特化して通販、出版事業を行っていますが、シニアのスタッフは少ないと思います。雑誌の企画や特集を組む上で、シニアのモニター制度などを持っていますか。
 そこは積極的に行っており、お客さまとの直接的な接点はかなり多い。現在約2000人のモニター(ハルトモ)がいて、通販の商品開発に活用している。それ以外にも、ハルメク本誌では「リアルハルメクカフェ」と呼んでいるが、お客さまといろんなテーマについて定期的に話し合う場を設けている。あとは、特集の具体的な内容についてクイックな調査を行える「いきクル」というSNSを運営している。その中で皆さんの意見をヒヤリングしたり、お宅を訪問したりする機会も多い。「いきクル」の会員数は約4万人だ。

 ─通販カタログの掲載商品はオリジナルが中心ですか。
 商品カテゴリーによって異なるが、売り上げベースでは7割くらいがオリジナル商品だ。雑貨類のオリジナル比率は若干低いが、化粧品やアパレルは大半がオリジナル商品となっている。われわれが取引先と共同で商品を企画して製造いただき、商品を買い取って、在庫リスクを持ちながら販売している。当然利益率は通常の仕入れ商品よりいい。ただ、前期はかなり在庫を抱えてしまい、過去最悪の評価損を計上した。今期はそれが大幅に減少している。

(続きは、「日本流通産業新聞」11月22日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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