【らでぃっしゅぼーや 代表取締役社長 国枝俊成 氏】販売員スキル向上へ社内制度拡充

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 らでぃっしゅぼーや(本社東京都、国枝俊成社長)は10月2日、自社配送員による配送の無料枠の拡大に乗り出した。同時に、配送員の商品提案力を向上させるため、配送員のサービス提供スキルを格付けする社内制度「クルーマイスター制度」を拡充して、EC専業の競合他社との差別化を目指す。配送料改定や自社配送便のサービス拡充の狙いについて、国枝社長に聞いた。

 ーーー10月2日から配送料の変更に乗り出した。狙いは何か。

 物流業界の労働問題や配送料の値上げについて、今秋からヤマト運輸や佐川急便などの値上げの動きを踏まえたものだ。こうした動きを見て、当社の自社配送網はチャンスだと捉えた。同業他社のECが利益を圧迫されている分、当社が攻めに打って出るという意気込みだ。
 配送料の改定に合わせて、配送スタッフの配送員のサービス提供スキルを格付けする社内制度「クルーマイスター制度」を拡充した。単に商品を届けるというだけではなく、お客さまの細かなニーズに対応したり、営業キャンペーンを実施したり、お客さまを紹介してもらうことでECとの差別化を図っていけるのではないかと考えた。
 従来は、8000円以上購入すると配送料を無料に設定していた。会員の利便性を高めることを目的に、さまざまな角度から試算した結果、5000円まで下げられるということになった。当社の会員は購入額2000~4000円という人が最も多い。5000円以上8000円未満購入の配送料が取れないことよりも、それ以下の人がプラスアルファで購入してくれるメリットの方が大きいと考えた。

 ーーー購買回数や顧客単価の低下も課題になっている。

 新規会員の多くが若年層でウェブ注文が多い。共働き世帯が多く、野菜セットを注文しても調理する時間があまりない。そのため、注文品が多い傾向にあることから、購入回数や単価が低くなる傾向にある。今回の施策でこうした課題を解決できるものと期待している。

 ーーー「ぱれっと」に新商品を投入する狙いは。

 「健康維持・ライフスタイルの変化」を受け「ぱれっと」のラインアップを拡充した。少量の野菜をバランス良く摂取できる商品や、健康維持意識の高い人をターゲットにした商品をそれぞれ投入した。今年立ち上げた新ブランドの「リガト」シリーズには、管理栄養士が監修し、糖質コントロールができるレシピ付きの「Rigato vege box(リガト・ベジ・ボックス)」を追加した。
 商品アイテムが増えたことで複雑に見えるが、営業社員「エリアプロモーションスタッフ」が顧客の世帯構成やニーズを踏まえてニーズに合ったサービスを提案することに力を注ぐ。

(続きは、「日本流通産業新聞」10月12日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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