【エノテカ 通販事業部部長 免取冬子氏】「コト」消費捉え、店舗と連携

 ワインの専門商社として輸入、卸、販売、店舗展開を行うエノテカ(本社東京都、櫻井裕之社長)は、ワイン通販でも売り上げは国内最大規模を誇る。メジャーなワインから希少なワインまで自社で輸入を行っており、3000種類以上を取り扱っている。17年3月期の通販売上高は、本紙推定で約40億円。近年は「コト」消費による顧客の獲得にも着目。店舗とECの相互送客やテイスティングイベントの実施など、店舗とECサイトを併せたリテール事業全体で働きかけを行っている。エノテカの免取冬子通販事業部長に、ECの運営と戦略について聞いた。

 ーーー多くの顧客から支持されている理由は。

 エノテカのECサイトでは「ワインのデパート化」という創業者の意向がある。デパート化とは、「おいしいワインであればどんな商品でもエノテカのECサイトでそろえることができる」という意味だ。この構想を実現すべく、数年前から取り組みを進めてきた。
 ワインの種類はほぼ無限に存在すると思っている。品ぞろえの拡充に終わりはない。当社はもともとフランスのボルドーをはじめ、ブルゴーニュのワイナリーなどとは強い関係にある。イタリアワインについても、トスカーナやピエモンテ地方のトップブランドのワインをそろえている。クオリティーの高いワインを自社で買い付けてそろえているという点が、お客さまに評価されている最大のポイントだと考えている。自社で輸入している商品の品質が高いことが、売れ行きにつながっている。

 ーーー顧客に対してのアプローチについて聞きたい。

 ECサイトのお客さまの中では、「エノテカ」の社名で検索して来訪する割合が最も多い。当社の実店舗展開が奏功した結果だと思っている。ECサイトの運営においては、実店舗が築き上げたブランドイメージを崩さないように最も気を付けている。
 ワインを求めて当社のECサイトに来訪したお客さまが、次のページに行かず離脱してしまう直帰率が高いことには問題意識を持っていた。
 どのようにすればお客さまの滞在時間が伸びて、C5.Rに結び付くのか、という課題への対応策として、トップページから適切なランディングページ(LP)に飛んでいただけるような取り組みを現在実施している。トップページに掲載できる商品情報は限られている。お客さまの検索数が多いワードなどでLPを作り、お客さまがLPから自由に気に入ったワインを選んでもらえるようにしている。
 17年3月には、離脱してしまったお客さまに対して、後追いでお客さまのブラウザーに広告を表示するリターゲティング広告を導入した。新規顧客獲得とリピート顧客の定着に向けて施策を強化している。
 当社が今後開拓しようとしている顧客層は、「飲食店などではワインを飲むが自宅では飲まない」という層だ。会社や友人との飲み会で5000円程度のワインを飲む層は増えてきていると聞いている。こういった層は、ある程度収入もあり、ワインについてもっと詳しくなりたいという、伸びしろの大きい層だと考えている。こういった層に対して今後はワインの情報を配信していくなど、ワインに親しんでいただけるような施策を行っていく。

(続きは、「日本流通産業新聞」10月12日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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