【ジャパネットたかた  高田旭人 社長】〈カリスマ社長退任後の陣頭指揮を執る〉/社員みんなが想像以上に成長

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高田旭人社長

ジャパネットたかた(本社長崎県)は今年1月16日付で、創業者でカリスマ社長だった高田明氏が退任、高田旭人副社長が社長に就任した。併せてホールディングス体制に移行している。カリスマ社長退任後の陣頭指揮を執る高田社長に、ホールディングス体制の狙いや今期の業績推移などについて聞いた。

苦しみを感じた時期も

 ─社長に就任して8カ月以上が経過しました。社長職に対する率直な感想は。

 「体制変更に伴う過渡期の苦しみといったことを感じる時期もあったが、ここ1~2カ月は社長業が楽しいと思うようになってきた。社長就任以前の3~4年間、バイヤー部門を経験したが、その間に前社長とはかなりぶつかった。その苦しみがとても役立っていると感じている。私がやろうとしているのは、商品の選定や商品の良さを伝えるという前社長が作ったものを継承しながら、会社の環境や再編といった、あまりできなかったことの整備だ。商品の説明や販売というコアの部分については正直、前社長の力を引き続き借りたいと考えている。一方、周辺の戦略や職場環境の整備についてはイメージ通り進んでいる」

 ─社員に対して任せる部分は任せていくという方針ですか。

 「前社長は創業者だったので〝90~95%の価値を確信しているか〟というところをすごく大事にしていた。私は70~80%の勝率でも〝チャンレンジしたらいい〟という感覚だ。絶対的な自信がない限りチャレンジできない環境というのは、結果的にチャレンジする機会を少なくすることになるのではないか。社員が『絶対に行けます』と言わなくても、やれることはやったというのであれば、ではやってみようと考えている」


プロの自覚を明確に

 ─今期から持ち株会社のジャパネットホールディングスに、ジャパネットたかたなど五つの事業会社がぶら下がるホールディングス体制に変更しました。この狙いは。

 「いくつかあるが最も大きいのは、働いている人たちが自分は何のプロになるべきかということをはっきりさせたかった。当社の場合、ホールディングス体制といっても、あくまでコアはジャパネットたかただ。ジャパネットたかたがいい商品をみつけてきて、それを徹底的に磨いてお客さまに伝えていくわけだが、ジャパネットたかたのお客さまの満足度を高めるためにグループ会社が存在する。そこが他のホールディングス体制とは異なる部分だ。ジャパネットホールディングスの役割は、グループの事業会社5社がより仕事をしやすくするための戦略部門となる」

 ─ホールディングス体制に移行した結果はいかがですか。

 「なかなかイメージした通りにいかないジレンマがあるのは事実だが、ポジティブな考えを持つ前社長の近くにいたせいか、それはそれで前に進んでいればいいかなと思えるようになってきた。社員がただ苦しんでいるわけではなく、自分で勝負をして、自分の実力では戦えないんだということを自覚した結果、次に向かってチャレンジしている姿勢がすごくうれしい。もちろん前社長とは違うやり方に対して移行する過程で辞めていく人もいたが、残った人たちが自分で勝負をして成長している姿を見られるので、そこは想像以上に社員みんなが成長するんだと感じている」


売上高は回復基調へ

 ─6月末で上半期が締まりました。今期の業績推移は。

 「昨年は消費増税前の1~3月に駆け込み需要があり、その反動で4~6月は落ち込んだ。昨年の影響で今期第1四半期の売上高は前年同期を下回った。ただ1~8月までの累計売上高は一昨年の売上高とほぼ同じ状況となっている。前年同期比では数%のショートといった感じだ。今のまま推移すれば12月が終わった段階で前期の売上高をクリアできる可能性は十分にあるとみている」

 ─第1四半期の売り上げ減少が前年実績割れの要因ですか。

 「1~3月が厳しかった。特に最も売り上げ構成比の高い紙媒体が今期のスタート段階で苦しんだ。ただ紙媒体も徐々に施策が実ったこともあり4月以降は順調に推移している。今後の企画や商品次第だろうが年内の売上高については明るい見通しを立てている」

 ─確かに1~3月は前年の消費増税駆け込みの反動があったと思います。しかし、前社長が抜けたことも影響しているのでは。

 「それもあると思う。前社長による圧倒的なリーダーシップに付いていくという習慣を持つメンバーがほとんどだったが、私が社長になってから、みんなで考えながら走ろうという方向に変わろうとしている。今期のスタートは、その切り替えが思ったよりも苦しかったのは事実だ」

 ─前社長はテレビのMCを続けていますが、露出する機会は減少していると思います。テレビショッピングにおける売り上げへの影響は。

 「商品の良さをどう伝えるかということを厳選していく中心には前社長がいたので、前社長抜きで商品の良さをみんなで考えなければならないとなったときに、成功する確率は低くなっている気がする。ただ、初めて自分たちの考えでチャレンジして失敗したとしても、それを必ず修正して次に向けた議論ができるのであれば、それでいいということを社員には明確に伝えている。テレビショッピングも試行錯誤しながら少しずつ自分たちで走れるメンバーが増えてきたと実感している」

(続きは「日本流通産業新聞」10月8日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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