【インタビュー】ダスキン代表取締役社長山村輝治氏に聞く

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

山村輝治 社長

ダスキンは、主力のドア・ツー・ドアの訪問販売による新規顧客開拓に加え、ショッピングセンターなどでの体験イベントやアマゾンへの出品など、顧客との接点を広げる動きを活発化させている。不在がちなユーザーのために、使用後のモップを郵送で返却できるサービスを4月から開始、多様なニーズへの対応を加速させている。また、タブレット端末の導入を進めており、販売員の提案力を引き上げ、訪販の売り上げ増につなげたい考えだ。山村輝治社長に今後の戦略について聞いた。

-前期(15年3月期)のクリーン・ケアグループにおける家庭訪販事業は前年同期比4・1%減だった。減収の主な要因をどう考えているのか。
 消費増税に伴い、消費者の節約ムードが高まり、当初想定していたより家庭市場の落ち込みが大きかった。毎年取り組んでいる「春のお試し活動」では2週間の商品無料体験に代わり、有料で4週間試用できる制度へと変更した。長年無料でやってきたことを有料に切り替えたのでオペレーションの構築に時間を要し、動きが鈍くなってしまった。
 しかし、モップなどをセットにした商品「おそうじベーシック3」の販売は好調だ。掃除の利便性を訴求し、3商品をセット価格で提案することで契約数を順調に伸ばすことができた。

-新規顧客よりも既存顧客の解約防止に力を入れてきた狙いは。
 現場は、既存顧客に対して積極的に「ベーシック3」を提案し、既存商品からの切り替えを狙ったため、結果的に新規開拓に手が回らなかった販売員もいる。
 ショッピングセンターなどで、商品の提案を行う「オタメシ祭り」の開催回数が一昨年に比べ減った。一昨年は創業50周年ということもあり、大きなキャンペーンを実施した反動があった。
 良くも悪くも、この2年間は新しいことにチャレンジし続けてきたのだが、盛りだくさんすぎだったかもしれない。この間に取り組んできたことを、今年の4月以降の営業活動に生かしている。第1四半期(15年4―6月期)のダストコントロール事業は前年実績を上回っている。

-16年3月期を初年度とする中期ビジョン「ONE DUSKIN(ワン・ダスキン)」を策定した。
 18年3月期までの3年間を第1フェーズとして、3年ごとに三つのフェーズに分けた。第1フェーズでは、1軒1軒着実に訪問営業活動を行うことに主眼を置いている。現在は、戸建ての多い地方都市でドア・ツー・ドアでの訪問販売を継続的に行っている。それでも、年々訪問件数は減少傾向にある。
 本部では、4月からマンションなど集合住宅への営業を強化するため、デベロッパーや管理組合に営業をかける専門部署を新設した。以前は、デベロッパーから要請があれば契約するという待ちの姿勢だった。今後は、マンションの住人との契約件数を伸ばすために攻めに転じる。デベロッパーとの契約後は、加盟店がマンションごとに営業することになる。
 開始して数カ月経過するが、「マンション内でお掃除教室を開催してほしい」といったような要望もいただいている。

-今年4月から、カード決済を導入したりモップの交換方法などを多様化するなどの試みを始めた。
 日本人の生活スタイルが多様化しており、お客さまの利便性を考えて決済手段を増やしたり、留守がちなユーザーのために、モップの交換方法を増やした。
 4月から始めたのは、使い終わったモップを郵送で返却できるサービスだ。従来は、販売員が4週間に一度訪問し、対面で交換してきた。しかし、不在だと販売員が何度も訪問しなければならない。販売員の負担軽減にもつながると考えた。
 決済手段も現金払いにクレジットカード決済を加えるなど、さまざまなニーズに対応した仕組みを導入している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ