【健康コーヒー通販 <インタビュー>】 <認知症対策で社会貢献を>クレアル EC担当 塩塚健一郎氏/予防に関する情報発信もスタート(2023年3月30日号)

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塩塚健一郎氏

塩塚健一郎氏

 クレアル(本社東京都、渡辺順子社長)では、認知症予防に効果があるトリゴネリンを高配合した「トリゴネージコーヒー」を通販・ECで販売している。予防につながる商品を販売するだけでなく、会報誌では、認知症についての情報発信も行っているという。22年12月からは、短尺動画で、認知症に関する情報発信も開始した。「社会貢献を通じて持続的成長を目指したい」と話す、EC担当の塩塚健一郎氏に話を聞いた。

 ─トリゴネージコーヒーについて教えてほしい。
 トリゴネリンという成分は、コーヒー生豆に含まれる成分で、脳神経細胞の活性化に効果があると言われている。トリゴネリンは焙煎すると減少してしまうが、当社では特許を取得した独自の製法で生豆からトリゴネリンを抽出し、焙煎後に再配合している。そのため、一般的なコーヒーに比べ、トリゴネリンを豊富に含むコーヒーとなっている。
 ─一般的なコーヒーとの違いは。
 商品開発の際は、機能性だけでなく、おいしさも追求したいと考えていた。だが、「機能性とおいしさの両立」が難しいことから、なかなか製造を引き受けてもらえなかった。
 そんな中、ある大手コーヒー製造会社が依頼を受けてくれた。商品化は簡単ではないが、「高齢化社会が抱える問題の解決につながる」という点に賛同いただけたようだった。
 実際の製造も簡単なものではなかった。抽出したトリゴネリンを、最後にコーヒーとブレンドするのだが、均一に混ざらないという問題が出てきた。
 機械の力でどうにかしようと考えたが、解決せず。最終的には、工場スタッフや営業スタッフがアイデアを出し合い、何度も調整を繰り返し解決した。
 その結果、コーヒー粉末とトリゴネリン粉末の特性を生かしたブレンド方法を確立できた。
 トリゴネリンは苦味と酸味が強い成分だ。コーヒーとブレンドすると、苦味の相性は良かった。一方、酸味が際立ってしまうという問題があった。そこでコーヒー豆の焙煎度合いを調整し、試作を重ねた。その結果、トリゴネリンを配合した際、ベストな酸味と苦味が感じられるようになっている。機能面だけでなく、味わいも追求したことにより、自信をもってお薦めできる商品になった。


■会報誌での情報発信を

 顧客には会報誌を発送している。「認知症とはどういう病気なのか」「予防の重要性」など、認知症に関する情報も数多く発信している。
 日々情報を発信していく中で、私自身が認知症に詳しくなっていった。認知症を意識しだすのは60代以上が多いが、40~50代での予防も非常に重要だ。
 販売する中で蓄積した知識で、社会の役に立てたらと思い、短尺動画での発信を開始した。
 ─短尺動画の発信について教えてほしい。
 発信している動画の内容は、「認知症の予防」や「認知症とはどういうものか」といった内容だ。動画は30秒~1分を目安に作成している。難しい内容だからこそ、誰にでも伝わるようシンプルにまとめることを心掛けている。
 認知症予防は、若いときからすることで、効果が高まる。情報を発信することで、認知症で困る人が一人でも減ってくれればと思っている。
 22年10月には新たに、デカフェのトリゴネリンコーヒーを発売した。
 当社の顧客は高齢者が多く、これまでもデカフェの要望は多かった。今後はデカフェを入り口に、新規顧客の獲得も進めていきたい。
 昨年、認知症の進行を遅らせる薬ができるなど、認知症への関心は高まっている。当社としても、単なる販売会社ではなく、社会の役に立つ会社になっていければと思っている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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