【ニューノーマルのホームヘルス機器】 〈「インタビュー」 ステイホームリスクを考える〉参議院議員 丸川珠代氏、日本ホームヘルス機器協会理事 原浩之白寿生科学研究所社長/感染対策を徹底し、外出可能な状況を作る

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原浩之氏

 コロナ禍では、過度な「ステイホーム」によって生じるリスクが問題化している。過度なステイホームによって、運動不足が生じたり、心理的不安が増大したりして、結果として「社会的フレイル(社会活動への参加が乏しいこと)」のリスクが増加すると指摘する医療関係者もいる。ヘルスケア業界に詳しい丸川珠代参議院議員は、社会的フレイルへの対応策について、「感染対策を徹底することにより、高齢者が外出しやすい状況を作り、フレイルのリスクを低減することが必要だ」と話す。丸川議員と、(一社)日本ホームヘルス機器協会の理事で、電位治療器の体験販売を手掛ける白寿生科学研究所の原浩之社長に、ステイホームのリスクなどについて、語ってもらった。

■運動機能低下や認知症も

 ─ステイホームには、どのようなリスクがあるのですか。
 丸川 まず、過度なステイホームで外出の機会を極端になくすことが、「運動的フレイル(虚弱)」につながることは明確です。日本医師会も、歩行しないことが、筋肉量の減少や、骨密度の減少による骨粗しょう症の罹患(りかん)につながるという見解を示しています。日本認知症学会も、歩行しないということは、認知症の悪化につながる危険性をはらんでいると指摘しています。
 ステイホームのリスクは、「社会的フレイル」も生み出します。ある研究では、「運動はするが社会参加はしない人」と「社会参加はするが運動はしない人」を比較すると、後者の方が、認知症を罹患する人が少ないことが明らかになりました。
 原 当社の事例で言えば、コロナの影響で体験会場に来ることができなくなったお客さまに話を聞くことがあるのですが、物忘れが激しくなったという人も少なくありません。一方、来店し続けている人には、元気な人が多いのです。体験会場でスタッフやお友達と話をすることを通して、「ちゃんと社会参加している」という感覚になることも、影響しているようです。
 コロナ以前は、家族に促されて、外に出かけてコミュニティーに参加する高齢者もたくさんいました。コロナ後は逆に、外出を家族に止められて、社会参加ができなくなってしまった人も少なくありません。
 丸川 (12月15日時点で)コロナの第三波が来ていますから、ステイホームによる、「社会的フレイル」のリスクは、さらに高まっています。


■リスクエビデンスを明確に

 ─ステイホームのリスクを、国民に対してどのように発信していくべきでしょうか。
 丸川 まもなく新型コロナウイルス感染症の流行が始まって1年になります。この間にステイホームを続けたことによって、人々の運動機能や認知機能がどれだけ低下したのかを、きちんとデータとして示す必要があります。
 海外でワクチンの接種が開始されたというニュースが連日報道されています。ただ、国内にワクチンが行きわたるまでには、まだまだ時間がかかるでしょう。ステイホームのリスクは、今後も続くと考えた方がいいと思います。
 これからの1年で、リスクのエビデンスを明確にし、コロナ感染とは別のリスクがあるという事実を、国として国民に発信していくことも必要だと考えています。国民の皆さまがさまざまなリスクについて、冷静に比較できる環境となるよう、政府にしっかりと訴えていきます。
 原 ステイホームリスクの情報を、「無関心層」へ、いかに届けるかが重要です。当社も長い間、地方自治体と連携して情報発信を行ってきましたが、普段から情報に触れない人に、情報を届けきれていないという点は、まだまだ課題だと感じています。


■「感染対策徹底」を発信

 ─多くの国民が、ステイホームのリスクを回避できるようにするために、行政や業界はどのような取り組みを行えばいいでしょうか。
 丸川 高齢の人でも安心して出かけられる場所やコミュニティーを、地域社会や事業者が率先して形成していくことが重要です。そのためには、出かける場所が感染対策を徹底していることが重要です。さらに、「感染対策をしている」という情報を発信して、安心してもらうことも重要でしょう。
 原 当社の体験会場では、「十分な換気」や「こまめな清掃・除菌」「密を防ぐ」といった対策を徹底しています。感染対策を徹底することにより、電位治療器の効果以外にも来店する意味はあると訴えています。当社以外の、ホームヘルスの企業にも、同じように取り組んでもらいたいです。「外に出て社会に参画する」ことの重要性を、一緒に啓もうしてもらいたいと考えています。
 丸川 明確なエビデンスが示された暁には、地域で発信力のある人が、お友達やご近所に声がけして、フレイルのリスクについて発信してもらえればと思います。


■アフターコロナのヘルスケア

 丸川 経済産業省では現在、「健康と医療データの利活用」に関する社会インフラの構築を進めています。個人データ保護の高度なセキュリティーを担保しつつ、健診結果などの健康情報を、認証を受けた事業者にマイナポータルから提供できる仕組みです。身近なデジタルデバイスと連携して、健康増進や医療機関での活用につなげるというものです。これは、アフターコロナの世界においても、国民一人一人のヘルスケアにとって重要な政策だと考えます。
 この流れに、ホームヘルス業界も参加してくれれば、国民一人一人の健康の見える化が、飛躍的に進むのではないでしょうか。

丸川珠代氏

丸川珠代氏と原浩之氏(写真右)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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