〈中国政府〉 テンセントのアプリに新規制/越境ECへの影響に懸念の声 (2021年12月2日号)

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 中国政府が11月24日に、テンセントに対して、新たな規制を導入した、と現地メディアで報じられた。同社のアプリについて、リリース前の審査を義務付ける内容だという。一連の大型IT企業に対する規制強化の一環とみられており、日本国内では、越境ECへの悪影響を懸念する声も上がっている。
 テンセントは、中国版LINEともいわれる「WeChat(ウィーチャット)」の開発・運営を行う企業として知られている。「WeChat」は12億人以上の国内ユーザーを持ち、中国人のインフラ化している。テンセントのプラットフォームやサービスを活用して、中国展開を行う国内事業者は非常に多い。
 今回の審査規制導入について、日本国内の事業者からは、「WeChatの開発運営元であるテンセントへの規制強化は、中国人の消費マインドの停滞や、顧客接点の断絶につながるのでは」と懸念する声も上がっている。「越境ECの自由度が阻害されるのでは」「今まで行っていた戦略や施策を根本から変える必要はあるかもしれない」などと、今後の中国EC展開を不安視する意見も聞かれた。
 今年4月には、アリババグループが、独占禁止法に違反したとして、巨額の課徴金の支払いを命じられており、EC企業などに対する中国政府の締め付けが今後ますます強化されるのでは、という懸念が広がっていた。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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