LINE/グループ力でEC強化/BtoCコミュニケーションのインフラ狙う(2021年12月2日号)

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「LINEギフト」の事業戦略発表会で登壇したLINE ギフト事業部 米田昌平事業部長(写真左)とヤフー コマースカンパニー・ショッピング統括部長 畑中基執行役員

「LINEギフト」の事業戦略発表会で登壇したLINE ギフト事業部 米田昌平事業部長(写真左)とヤフー コマースカンパニー・ショッピング統括部長 畑中基執行役員

 LINEがEC関連サービスを強化している。ソーシャルギフトサービス「LINEギフト」は累計購入者数が1000万人を突破し、さらに出店企業を拡大している。年内にはEC事業者向けのCRMパッケージサービスを提供する。来春には、ECサイト構築サービス「MySmartStore(マイスマートストア)」の本格提供を予定している。グループ会社のヤフーやZOZO(ゾゾ)、韓国のNAVER(ネイバー)と連携し、サービスの提供や強化を推進している。LINEはメッセージアプリ「LINE」によってCtoC(消費者間)コミュニケーションのインフラになった。EC強化の背景には、BtoC(企業と消費者)領域のコミュニケーションにおいても、メールに成り代わりインフラとしての存在感を高めようとする狙いが見える。

 LINEが展開するEC関連サービスで、最も成果が出ているのは「LINEギフト」だと言える。グループシナジーも効果的に発揮している。
 11月29日に実施した「LINEギフト」の事業戦略発表会では、累計購入者数が今年10月時点で1000万人を突破したことを明らかにした。プレゼントの購入者と、ギフトをもらったことがある累計ユーザー数は、年内に2000万人を突破する見通しだという。
 経営統合したZホールディングスグループのサービスとの連携により、出店者数を増やしている。今年10月には、ヤフーが運営する「ヤフーショッピング」や「PayPay(ペイペイ)モール」との商品連携を開始し、モール出店者への「LINEギフト」出店を進めている。
 他にも「出前館」「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」とのeギフト(連携先で利用できるポイントなどをオンラインで送れるサービス)連携を実施している。
 さらに11月29日には、グループサービスで電子書籍を提供する「ebookjapan(イーブックジャパン)」が出店し、年内にはホテルや旅館、レストランの予約サービス「一休.com」も出店するという。


■PayPayとも連携

 ヤフーのコマースカンパニー・ショッピング統括部長である畑中基執行役員は「LINEギフト」の事業戦略発表会において、「『LINEギフト』との連携をグループ挙げて推進している。営業連携は今年8月から実施しており、数カ月間で大きな成果が出ている。モールに出店している800ストアくらいが『LINEギフト』への出店準備を進めている。今後は決済サービス『PayPay』加盟店にも一緒に営業していく」と連携の進行状況を説明した。
 グループ外の企業への出店営業も推進しており、11月29日にコンビニエンスストア大手の「セブン―イレブン」が出店した。ヤフーとの連携で「ヤマダ電機」などの大手企業も出店している。
 「LINEギフト」の出店店舗数は約380店舗で、取扱商品数は約4万点だという。グループ連携や営業強化により、今後さらなる有力店舗の出店が決まっていることから、取扱商品も大幅に拡充できそうだ。品ぞろえに加え、プロモーションを強化し、さらに利用者獲得に拍車を掛ける方針だ。

(続きは、「日本流通産業新聞」12月2日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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