楽天/「送料込み」原則化を延期/出店プラン変更の店舗向け(2021年6月17日号)

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 楽天グループ(楽天)は6月11日、「楽天市場」の出店者が出店プランを変更する際に「送料込みライン」を”原則導入”としていた件について、適用時期を延期することを明らかにした。すでに5月10日申請分より適用していたが、適用開始日を7月1日に変更する。「店舗への周知期間をしっかり設けるべきと考え、延期を決めた」(広報)と話す。
 出店者向けの規約を変更し、5月10日以降に出店プランを変更する店舗に対して、「送料込みライン」の原則導入を促していた。「送料込みライン」を導入したくない店舗については、規模や状況に応じて相談に応じていたという。ただ、一部店舗からは規約変更に不満の声が出ていたようだ。
 楽天は店舗の反応などを加味し、適用開始まで期間を設けることにした。適用期間の変更については、出店店舗向けにサポートニュースでアナウンスしている。5月10日以降に出店プランを申請していた店舗については、「送料込みライン」導入の希望を確認し、希望しない場合は導入せずに新プランに変更できるようにする。
 楽天は20年3月、対象店舗で3980円以上購入した注文において、送料を無料にする施策「送料込みライン」を開始した。当初、全店舗一律での導入を目指したが、独占禁止法違反(優越的地位の乱用)に抵触する可能性があるとの指摘を受け、任意で導入できる仕組みにした。任意の仕組みながら、購入促進につながる施策と判断する店舗が多く、20年12月末の時点で全体の85%が「送料込みライン」を導入している。
 「送料込みライン」スタート時から、新規開設店舗は「原則導入」にしている。出店店舗が同プランで契約更新する際は、「送料込みライン」導入が条件になることはない。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ