〈家具通販〉 既存企業で進む差別化/イケア、大塚家具が参入表明で

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リビングスタイルのスマートフォン向けアプリ「インテリア+(プラス)

実店舗で家具を販売する大手企業が、通販参入を表明している。スウェーデンのイケアは一部の国でしか実施していなかったネット通販を、実店舗を展開する全ての国で開設する予定だ。大塚家具は、14年から中止していたネット通販を再開する意向を示している。ともに開始時期などは未定としているが、大手企業の参加は通販業界の注目を集めそうだ。家具を販売する既存の通販事業者は独自の取り組みで迎え撃つ。

 イケアは日本国内で8店舗を構えている。商品や店舗の情報が配信される「IKEAアプリ」や、デジタルカタログを配信するなど、OtoO施策を積極的に展開しているが、ECサイトはまだない。日本法人イケアジャパン(本社千葉県、ピーター・リスト社長)によると「通販の開始に向けて動いているが、詳細は非公開」(広報)との説明にとどめている。
 大塚家具は大塚久美子社長が通販再開に意欲を示しているようだ。「通販の再開は正式に準備している段階ではないが、社長が構想している」(広報)という。今秋には中古家具販売に乗り出すなど、高級路線以外でも新規顧客の獲得を目指している。
 大手の参入を前に、通販事業者はさまざまな形で差別化を図っていく考えだ。


オムニチャネルに新技術

 家具業界向けに3Dシミュレーションを提供するリビングスタイル(本社東京都、井上俊宏社長)は、スマートフォン向けアプリ「インテリア+(プラス)」(写真1)を6月22日に提供を開始した。AR(拡張現実)を利用して実寸大の家具を映すことできるサービスだ。
 情報が書き込まれている「マーカー」と呼ばれている紙を、家具を映したい場所に設置し、スマホのカメラで映すと家具が浮かび上がる。サイズだけでなく、デザインや色が部屋に調和するかも目視することができる。アプリには現在、イデーやベイクルーズなどが販売する13ブランドが掲載され、約2000品目のシミュレーションを行える。各社が発行している商品カタログが、マーカーの役割を果たす。
 シミュレーションした商品は参加企業の通販サイトにアクセスすることができ、プラットフォーム機能も備えている。商品数の拡充を進めて、年内に1万品目を取り扱える計画だ。
 「家具は実店舗とネットの往復で購入につながるため、オムニチャネルの支援になる」(井上社長)と話す。その上で「大手企業の参入に対抗するのは難しいが、新技術を利用して業界全体を少しでも盛り上げたい」(同)としている。
 「アクメファニチャー」と「ジャーナルスタンダードファニチャー」の2つのブランドで「インテリア+」に参加しているベイクルーズは「顧客が家具に接する機会を増やすことが狙い」(EC担当者)と説明する。

(続きは「日本流通産業新聞」7月9日号で)

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記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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