〈プロテイン通販〉 女性用商品が市場を牽引/大幅増収企業や新規参入企業続々

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 コロナ禍でプロテインの通販市場が大きく伸びている。その背景には、女性用プロテインの需要拡大があるようだ。市場調査を行うインテージによると、20年のプロテイン粉末市場の販売金額は19年比で40%増加したという。九南サービスがECで販売する、プロテインの健康食品「タンパクオトメ」は、20年に前年の10倍超の売り上げを記録した。プロテイン配合のコラボ商品を多数販売するリアルスタイルは、11年にプロテインのECを開始して以来、右肩上がりで業績が拡大している。20年12月期の売上高も、前年同期比で20~30%の増収になったとみられる。かわいらしいパッケージや、多様な風味が女性のニーズをつかんでいるようだ。成長するプロテイン通販市場を見て、新規参入を図る動きも目立つ。女性をターゲットにする異業種の企業がプロテインの通販に参入するケースも増えている。

■「美容」「健康」が人気の要因

 コロナ禍の中、女性用プロテインが人気を拡大させている。背景には、外出自粛による運動不足があるようだ。従来は、筋肉をつけるためのサプリメントとしてプロテインを売り出す事業者が多かったが、最近は、「美容」「健康」といったキーワードを前面に打ち出し、プロテインを販売するケースが目立っている。
 九南サービス(本社宮崎県)がECでヒットさせている「タンパクオトメ」は、美容成分を配合し、「女性専用」というコンセプトを打ち出したプロテインだ。商品名に「オトメ」という言葉を盛り込んでいるだけでなく、パッケージにも女性のイラストを使用し、女性向けの商品であることを明確化している。開発に当たっては、プロテインを愛用する女性モデルの意見も取り入れたという。20年の売り上げが前年比10倍となった「タンパクオトメ」は、累計販売数が60万袋を超えるヒット商品となっている。
 16年にSUNAO製薬(本社宮崎県)がECで発売した、プロテインの健康食品「アミノシェイク」もヒットを記録している。19年4~12月の間の販売個数は、前年同期間比で10倍以上に伸びたという。20年に入ってからも大幅な売り上げの伸びが続いており、直近の21年3月度は、前年同月比で4倍の販売数になったとしている。
 同商品はもともと長距離ランナー用のプロテインだった。必要以上に筋肉をつけないよう、配合成分を調整した商品だったが、売り上げは伸び悩んでいたという。
 同商品の購入層の9割が女性だった点に着目した同社は、19年4月に商品パッケージやLPを女性向けに変更したところ、大ヒットにつながったとしている。
 リアルスタイル(本社奈良県)では、コラボ商品のプロテインが好評で、女性顧客の獲得につながっている。同社の20年12月期の売上高は20~30%増と大幅に拡大した。不二家とコラボしたミルキー味のプロテインや、サンリオとのコラボも女性客に受けているという。ミルキー味のプロテインは楽天市場のランキングでも上位を維持する人気商品となっている。


■新規参入企業も目立つ

 女性層をターゲットにビジネス展開してきた異業種の企業が、プロテインのECに新規参入するケースも目立っている。

(続きは、「日本流通産業新聞」4月8日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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