高島屋 20年3―8月期/EC売上は68%増/巣ごもり需要拡大、通販も25%増

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 高島屋の20年3―8月期(第2四半期)におけるクロスメディア事業の売上高は、前年同期比25.3%増の100億2600万円になった。EC売上高は、同68.0%増の128億円だった。コロナ禍で巣ごもり需要が拡大し、顧客が通販やECに流れ、大幅な増収につながった。
 高島屋は19年3月、EC事業部を新設した。クロスメディア事業部ではカタログやテレビなどの媒体を中心とした通販に注力し、EC事業部は専務取締役直轄の部署としてグループ間のシナジーを高めている。
 クロスメディア事業部では他の百貨店がカタログ通販から撤退する中、他の百貨店通販の顧客の取り込みや、実店舗顧客への利用促進を地道に続けてきた。顧客基盤を少しずつ広げてきたことが、コロナ禍で巣ごもり需要が拡大する中、さらなる売り上げ拡大につながった。
 EC事業部では、実店舗やグループMDなどとの連携を強化することで品ぞろえを拡充していた。以前はギフト商品中心だったが、EC事業部設立後に自家需要に対応した商品ラインアップを拡充していた。こうした取り組みもコロナ禍での増収に奏功した。
 クロスメディア事業の21年2月期の売上高は、前期比14.6%増の211億1100万円を見込んでいる。ECを中心としたネットビジネスにおける21年2月期の売上高は270億円を計画している。
 ネットビジネスの24年2月期の売上高は300億円の目標だったが、EC事業の成長加速に伴い、目標値を500億円に修正している。来期にECサイトをスマホファーストにリニューアルしたり、商品供給や物流の体制も強化したりすることで、EC売上高の拡大を図る。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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