〈ギフト・百貨店の中元通販〉 今期は前年比8割増の企業も/百貨店は通販流入が活発化

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

リンベルの中元企画の画面

 ギフト・百貨店業界では今年の中元シーズンにおける通販が活況だ。ギフト業界は、リンベルが前年比約80%増の売り上げを見込む。JTB商事は、ウェブ注文が大きく伸長した。百貨店業界は、新型コロナウイルスの影響で通販の利用が拡大。近鉄百貨店、阪急百貨店、阪神百貨店のEC売り上げはいずれも約4割増となった。店舗顧客が想定以上に通販に流入したことが増収要因となっている。例年よりも通販の利用が増えた今年の中元企画について、各社の施策と手応えなどをまとめた。

■ギフトは中元も好調

 リンベルは今年、6月中旬から8月末にかけて、中元向けの企画を実施している。前年よりも開始時期を1カ月近く前倒しにし、より多くの受注を獲得しているという。中元企画の通販売り上げは前年の80%増で着地する見込みだ。受注数は当初の計画を上回って推移している。
 中元に限らず、今年は通販の売れ行きが増加傾向にあるという。コロナ禍の外出自粛で、ギフトを贈りたい人に直接会えなくなったことが背景にある。ギフトを贈る際、品物と合わせてメッセージカードを希望する顧客が増えている。
 デジタルギフトを手掛けるギフトパッドは、中元向けの商品展開は今年が初めて。中元向けを含めた今年7月度の通販売り上げは、昨年同月比で約3.2倍となった。中元企画の期間は7月12日から8月末まで。
 7月は例年、母の日や父の日がある5月・6月に比べて売り上げが低調になりやすい時期だという。今年の7月も、5月・6月に比べると売り上げはやや下がるが、前年の7月度と比較すると2倍に伸長したという。通販の利用拡大が継続しているためだ。
 今年の中元で最も売れた商品は、ギフトパッド独自ブランドのデジタルカタログ5種。7月末まで10%割引で販売した。


■今年会えない人に高級品

 土産物や旅行関連用品を通販展開するJTB商事は、今年の中元シーズンの売れ行きについて「想定の範囲内」(総合企画部 経営企画課)とコメントしている。販売実数や前期比の増減率は非開示。
 新規顧客が拡大したというよりは、従来から中元の品を贈る習慣のあった顧客が有名店や老舗ブランドの商品を選ぶケースが目立った。「コロナ禍で会うことができない人に対し、これまで以上に心のこもった商品を贈りたいという気持ちの表れと認識している」(同)。
 20年は、これまでに手掛けていた中元向けのカタログを廃止した。発行にかかる制作コストなどとの収支が合わなくなっていたためだ。受注は自社ECサイト「JTBショッピング」に絞った。
 前年まではカタログからはがきや電話で申し込んでいた顧客は、今年からウェブに移行している。これに伴い、ウェブ経由の注文数は前年から大きく伸長する形となった。

(続きは、「日本流通産業新聞」8月20日号で)

近鉄百貨店のウェブ物産展

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ