アピ〈リトルPETを増産〉/新ラインを拡充、生産力2.3倍に

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小型ペットボトル「リトルPET」

小型ペットボトル「リトルPET」

 健康食品受託製造最大手のアピ(本社岐阜県、野々垣孝彦社長、(電)058―271―3838)は3月、小型ペットボトル「リトルPET」の製造ラインの拡充を完了した。4月から新ラインの本格稼働を開始する。製造ラインの増設により、リトルPETの生産能力を従来比で約2.3倍に高める。飲料受託製造で20年以上の実績を持つ同社だけに、リトルPET飲料の開発力や品質については、これまでも高い評価を得ていた。生産能力が大幅に向上することにより、リトルPETの普及拡大にますます拍車がかかりそうだ。


■軽量で耐衝撃性、高級感に優れる

 肉厚で高級感を演出できる小型ペットボトル容器が「リトルPET」。軽量で耐衝撃性にも優れており、無店舗販売ルートとの相性も良い。50、65、100ミリリットルの各サイズならば汎用容器での対応が可能だ。
 肩口までのセミシュリンクやフルシュリンクをかけて、高級感をさらに演出することもできる。
 「独自性の高い飲料を開発したい」というクライアントからの要望の高まりを受け、リトルPET飲料の増産を決定。岐阜・揖斐郡にあるネクストステージ(NS)工場敷地内の倉庫を改修し、リトルPETの製造ラインを1ライン増設した。
 増設したラインでは、既存ラインを33%上回る、毎分400本の製造が可能。そのため2ライン合計の生産能力は、従来比で約2.3倍に高まった。小ロット製造から量産まで幅広く対応できる体制が整った。


■原料の開発・加工から飲料製造を総合提案

 同社は、飲料の受託製造を20年以上にわたって続けてきた実績を持っており、豊富なノウハウを蓄積している。
 飲料・ゼリー関連では、リトルPET(30~140ミリリットル)だけでなく、大ビン(180~900ミリリットル)、小ビン(30、50、100ミリリットル)、アルミ缶(100ミリリットル)、液体三方(3~50ミリリットル)、ブローパック(0.5~20ミリリットル)の製造にもすべて自社工場で対応できる。
 飲料製造における開発力の高さにも定評があり、原料の独自開発・加工からトータルで飲料の開発・製造を支援できる。
 特定のクライアントのために、植物素材などから、独自性の高い機能性成分を抽出し、「留め型原料」を開発した実績も多数持っている。
 例えば同社では機能性原料に、(1)ナノマシンによる微粒子化(2)酵素処理によるペプチド化・低分子化(3)発酵法による機能性の向上(4)高圧乳化による油溶成分の水溶化─などの原料加工を施し差別化することを提案できる。微粒子化や低分子化を施せば、吸収性の向上が図れることも、試験により確認されている。原料を発酵させることによって、機能性が大幅に高まるケースもあるという。
 付加価値のついた独自素材を配合することにより、最終製品の価値の大幅な向上を期待できるのだという。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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