【コロナウイルス禍】 下着通販の製造にも影響/中国依存の高さに危機感も

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 新型コロナウイルス感染拡大の影響が国内の下着通販各社に波及している。下着は、縫製やデザインが通常の衣服よりも複雑なため、仕入れや製造ラインに支障が生じたとき、すぐに他のラインに切り替えることが難しい。中国における製造ラインの停止や稼働率低下が目立ったのは2月。仕入れや製造を中国で行っている各社では、例年2月に生産数を抑えており、「売り上げへの直接的な被害は免れた」と言う企業もあった。ただ、「ラインの復旧があと数日遅延していれば、品切れ状態だった模様で、製造国を1つに依存することに対する危機感を各社とも示している。製造販売だけにこだわらず、新規事業の立ち上げを視野に入れている企業もある。

■直接被害は免れた

 仕入れ・製造のほとんどを中国のラインで行っているHEAVENJapan(ヘブンジャパン)の松田崇社長は、「運よく直接的な被害は免れた」と胸をなでおろしていた。
 19年10月の消費増税による製造コストの高騰に備えて、あらかじめ多めに製造しておいたことが奏功した。また、2月は例年、生産数を抑える時期だった。
 売り上げの主力としているECの売り上げはここまで期初計画どおりに推移しているという。3月は通常、新生活に備えた需要が高まり、繁忙期となる月だが、卒業式や入学式などの開催を控える傾向にあるので、売れ行きの鈍化を心配している。
 3月末に発売する予定だった新商品が、製造ライン再開の遅れにより、半月遅れる見込みだ。春夏シーズンに向けて発売日を決定していた商品だけに、販売への影響はあると見る。
 3月と4月に国内2カ所で開催を予定していた下着の無料フィッティングは中止にした。今年は顧客との接点をこれまで以上に強める方針だったというが、中断を余儀なくされている。
 今期業績に対するコロナウイルスの影響はなく、20年3月期の売上高は前期比10%増の約11億円を見込む。21年3月期へのマイナス影響がどの程度になるかは不透明だ。
 自社ECサイトと大手ECモールで骨盤ガードルなどを販売するトリプルエス(本社愛知県、大村晋社長)は、

(続きは、「日本流通産業新聞」3月12日号で)

ヘブンジャパンの松田社長

ヘブンジャパンの松田社長

ヘブンジャパンの東京・青山店のサロン

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トリプルエスで人気の骨盤ガードル

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記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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