【注目素材】 バイオジェノミクス〈乳酸菌生産物質「PS―B1」〉/アレルギー抑制で特許も

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バイオジェノミクスの研究開発のようす

 乳酸菌生産物質の研究・製造・販売を行っているバイオジェノミクス(本社長崎県、本多英俊長、(電)0957―54―3529)が提案する乳酸菌生産物質「PS―B1」が、免疫対応素材として注目を集めている。研究では、「PS―B1」の経口摂取により、アレルギー・急性花粉症抑制、大腸がんリスク低下などの効果が期待できることが明らかになっている。アレルギー抑制作用については特許も取得済みだ。


■有効性をマウス試験で確認

 「PS―B1」は、厳選された計21種の乳酸菌・ビフィズス菌を、国産有機大豆をまるごと使用した「豆乳様培地」で共棲培養する製法で製造した乳酸菌生産物質。経口摂取することにより、免疫関連、便通改善、肝機能、糖尿、骨粗しょう症、代謝、口臭、肌質改善などに対する有用性を期待できることが、これまでの研究で明らかになっている。
 「PS―B1」の持つアレルギー性皮膚炎抑制作用は、マウスを用いた試験で実証。同試験では、マウスの耳介にアレルギー性皮膚炎の誘導物質を52日間にわたって、週2回、計16回塗布。乳酸菌生産物質の経口投与によるアレルギー抑制効果について、「耳介の厚さ」を指標にして評価した。
 マウスを治療群(事後的に3%もしくは5%の乳酸菌生産物質を投与する群)や、予防群(事前から、3%もしくは5%の乳酸菌生産物質を継続的に投与する群)など、計6群に分け、経過を見た。
 その結果、3%治療群5%治療群の両方において、経口摂取開始以降、耳介の炎症が顕著に抑制されることが分かった。最終的には、耳介の肥厚化が、乳酸菌生産物質を投与しなかった感作コントロール群に比べ、約10%抑制されることも確認された。
 一方、3%予防群と5%予防群ではどちらも、耳介の炎症の発生が遅れることが確認された。最終的な耳介の肥厚化は約12%抑制された。試験結果からは、「PS―B1」の摂取がアレルギー性皮膚炎の抑制に有効であることや、感作前から「PS―B1」を摂取しておくことが有効であることが示唆された。
 治療群・予防群ではいずれも、「IL―13」をはじめとした炎症誘導因子の遺伝子発現の抑制が確認されており、耳介の肥厚化抑制のメカニズムが示唆された。
 同試験では、全身性アレルギー反応の抑制効果の検証も行っている。検証の結果、治療群・予防群ではいずれも(1)脾臓における炎症促進物質「IL―4」の遺伝子発現が抑制された(2)血中IgEに対する抑制傾向がみられた(3)血中IgA濃度が増加した─といった結果が得られた。IgAに比べ、IgE産生が過多になったときにアレルギー症状を呈することが一般的に知られている。同研究では「PS―B1の摂取によって、全身レベルにおいてもアレルギー症状を抑制することが示唆された」と結論づけている。


■花粉症抑制の可能性も

 花粉症モデルマウスを使った試験では、急性花粉症抑制作用について確認している。同試験ではマウスを(1)PS―B1摂取群(2)乳酸菌発酵物「BG―21」摂取群(3)通常餌を投与する感作コントロール群(4)通常マウスに通常餌を投与するコントロール群─の4群に分け、それぞれ感作1週間前から経口投与した。
 なお、BG―21は、計21種の乳酸菌・ビフィズス菌を豆乳様培地で共棲培養し、そのまま粉末化した素材。PS―B1のようにろ過工程を経ずに製造する。プロバイオティクス、プレバイオティクス、バイオジェニックスの三つの側面からの有用性が期待できるため、同社では「トリプルシンバイオティクス」素材と呼んでいる。「トリプルシンバイオティクス」は同社の登録商標だ。
 同試験の結果、PS―B1摂取群とBG―21摂取群において、鼻かき行動の回数が、感作コントロール群よりも抑制される傾向が確認された。
 血液塗抹標本によって各白血球の割合を調べたところ、PS―B1摂取群とBG―21摂取群の両方において、アレルギーで上昇する好酸球数の減少が認められた。これらの結果から同研究では「乳酸菌生産物質(PS―B1・乳酸菌発酵物)はアレルギー性鼻炎を抑制する可能性が示唆された」としている。
 マウスによる試験では、大腸がん発生に関与する「ニトロ還元酵素」の活性の指標である「アミノ安息香酸」の測定値が、PS―B1の投与によって大幅に抑制されることが確認されている。
 菌の培養試験では、PS―B1の添加により、善玉菌「L.カゼイ」の増殖が促進され、悪玉菌「E.コリ」の増殖が抑制されることも確認されている。
 これらの結果から、同研究では「腸内環境が改善され、ニトロ還元酵素の活性が低下したものと考えられた」と結論づけている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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