アピ/受託製造の特化サイト開設/製造全工程を動画で公開も

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 健康食品受託製造最大手のアピ(本社岐阜県、野々垣孝彦社長、(電)058―271―3838)は1月17日、健康食品のOEM・ODM(※参照)事業に特化したサービスサイト「https://api―odm.com」を立ち上げた。コーポレートサイトとは異なるドメインで展開する。「バーチャル工場見学」のページでは、同社の製造機能の全工程を動画で公開している。製造設備などの情報を非公開にすることが多い健康食品受託製造業界に、一石を投じるサイトとして注目を集めそうだ。
 新サイトでは、同社の受託製造事業に関する、製造機能や営業サービス、研究開発体制などを一覧できる。以前から同社が受託製造事業において掲げてきた「ワン・ステップ・OEM」と、2017年から新たな旗印として掲げ始めた「API’s ODM」の、両方のエッセンスが詰まったサイトだという。
 同サイトの目玉ともいえるのが「バーチャル工場見学」のページだ。同ページでは、同社の全製造工程を惜しげもなく動画で公開している。
 原料加工においては「抽出」「微粒子化」「精製」「粉末化」の各工程を動画で紹介。製剤加工も「ソフトカプセル」「ハードカプセル」「錠剤」「コーティング」「顆粒」に分けて動画を掲載している。
 飲料に関しては「リトルPET」「アルミボトル缶」「小瓶ドリンク」「大瓶ドリンク」「液体三方」の各動画を用意。パッケージについても、「瓶詰「缶詰め」「ボトル」「三方」「給袋」「粉体充填」「PTP」「スティック」「包装ライン」の各動画を掲載する徹底ぶりだ。
 「生産管理」「試作・開発」「品質管理」からなる、サポート関連の動画も紹介している。
 同社では「製造メーカーとしてはあまり積極的に開示したくない部分もあるが、どのような環境、設備で健康食品が製造されているのかを詳しくご存じでない方などに、少しでも製造現場のイメージを持ってもらえればとの思いから、今回のサイトではフルオープンにすることにした」(新規事業開発課)と言う。
 「バーチャル工場見学」では、同社の高品質なものづくりの状況が、画面上で確認できる。自社工場内で、実に多様な品目を製造できる、同社の対応力の幅広さにも驚かされそうだ。
 同サイトではそのほか、「選ばれる理由」「導入事例」「製品情報」などのコンテンツを用意している。
 健康食品業界ではこれまで、紙媒体や展示会などのオフラインメディアを通した施策が主流となっていた。同社では今後、オフラインとオンラインを融合したマーケティング活動に注力していく考えだという。「今回、公開したサービスサイトは、現時点で100%の完成形ではない。今後も引き続き、随時、ユーザー目線で、ユーザーにとって有益な情報を更新し続けていく」(同)と話している。


 ※ODMとは…「オリジナル・デザイン・マニュファクチャリング」の略。商品の製造にとどまらず、開発や設計も含めたトータルサポートを行うことをさす。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ