〈中堅NB企業〉新規会員獲得に本腰/既存組織の再活性化で打開へ

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NB企業各社の新規会員獲得の動き

NB企業各社の新規会員獲得の動き

創業から10年前後で、急成長を遂げてきた中堅ネットワークビジネス(NB)を中心に、新規会員の獲得を強化する動きが活発化している。成長率が落ちたり、踊り場から脱却するため、組織拡大に向けてビジネス会員の育成や製品愛用者への支援を強化する動きが目立つ。ニナファームジャポンは4月1日から、新たにスキンケア商品を購入すると会員登録ができるように登録条件を緩和。ペレ・グレイスは製品愛用者に向けたキャンペーンを初めて実施する意向で、市場開拓に力を入れる。ライラックやアッチェでは、報酬プランを改定し、ビジネス環境を整備する。各社でやり方は異なるものの、全くNBに触れたこともない消費者を取り込むための施策というよりも、既存組織という経営資源の再活性化を試みることに重点を置いている点が共通項と言えそうだ。

 NBは、登録した会員が新たな会員を紹介(リクルート)することで組織を広げるというビジネスモデルが基本となる。組織拡大のためには(1)リクルートに積極的なビジネスリーダーを獲得する(2)既存会員から新たなビジネスリーダーを育成する─という2パターンが挙げられる。
 ただ、会員登録した人全てが新規会員をリクルートするわけではない。会員登録して報酬発生の条件となる商品を毎月購入しても、ビジネス活動を行わない、いわゆる製品愛用者型の会員(以降、愛用者)は、一般的に組織の8割以上を占めているとされる。
 愛用者の存在は、安定した売り上げが確保できるというメリットがある。しかし一方で、愛用者のままでは組織の拡大につながらないジレンマに陥る。


スキンケア登録開始で100億円達成へ

 従来は、サプリメントの購入者に限定して会員登録を行ってきたニナファームジャポン(本社東京都)は4月1日から、スキンケアの購入でも会員登録できるようにした。
 ニナファームジャポンでは、これまでサプリメント「サンテアージュOX」を購入しないと会員登録ができなかった。スキンケアは、会員登録しないと購入できず、会員に対する付加価値として提供してきた。
 ここ数年はスキンケアで登録できるようにしてほしいという会員からのニーズは高まっていた。実際に、スキンケアの売り上げは年を追うごとに増え、14年3月期におけるスキンケアの売上高は前期比69・9%増の11億2000万円に拡大した。後押ししているのが、全国に30カ所にある、スキンケアの体験ができる会員が運営するサロン「プラッス ドゥ ニナ」と、サロンでスキンケアのデモができる社内資格「スキンケアコーディネーター」だ。現在、資格取得者は200人を超える規模になっており、関心が高まっている。
 新制度の導入と同時に、スキンケアコーディネーター資格取得の条件だった「近隣にサロンがあること」を撤廃。自宅でのホームパーティーなどにセミナーの場を開放することでスキンケアからの新規会員登録につなげる。
 同社の15年3月度は過去最高の月次売り上げとなった。15年3月期の通期売上高は8期連続増収となる見通しだ。設立10周年を迎える17年3月期は売上高を現状の2倍となる100億円に引き上げる中期経営計画を策定している。
 中計の達成に向けた手段として、スキンケアからも会員登録ができるようにした。「新しい息吹を取り入れることで、会員登録を増やし、新たな市場を開拓したい」(NB事業部)と新制度導入の狙いを話す。

(続きは本紙 4月16日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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