ユーグレナ 19年9月期/直販売上高7.9%減/バイオ燃料開発費で74億円の赤字計上

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 ミドリムシを原料にした化粧品や健康食品の通販事業を展開するユーグレナの19年9月期の直販売上高は、前期比7.9%減の98億9300万円だった。化粧品への広告投資を強化し、全体の広告費を34.7%抑えた結果、微減収となった。バイオジェット燃料の開発を行うエネルギー事業を含めた全体の売上高は同8.0%減の139億6700万円、営業利益は74億6000万円の赤字だった。
 直販事業の売上高には、妊活向けサプリを扱うフック(本社東京都)や化粧品ECのMEJ(本社東京都)の売り上げも含んでいる。直販売上高のうち、ユーグレナ本体の売り上げが約8割を占めるとみられる。
 決算発表会に登壇した永田暁彦取締役副社長は、「化粧品通販事業を成長領域と考え集中投資を行ったが、パフォーマンスを発揮しなかった」と振り返った。これまでは、シニア層をターゲットとしてアプローチを行ってきたが、今後は30~50代のミドル層に対して、ブランド認知の拡大を図り、顧客の獲得を行っていく考えを示した。これまで主な投資媒体としていたオフライン広告ではなく、デジタルマーケティングを使い、ロイヤル顧客の育成を図るとしている。
 ユーグレナではこれまで、広告媒体の8割がテレビCMや、新聞の折り込みチラシといったオフライン広告だった。電話やはがきからの注文が7割を占めていたとしている。ECの比率を高め、「前時代的なスタイルから脱却」する方針を掲げている。
 エネルギー事業では、同社が開発を進めているバイオジェット・ディーゼル燃料の実証プラントの建設関連費の計上があり、80億円弱の減益となった。バイオジェット燃料については、20年9月期中に供給を開始する考え。乗客を乗せたジェット機のフライトに、燃料を使用する予定だとしている。

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