佳秀工業 ヘルスケア事業部/現場で働く人を支える化粧品/第1弾は工業用手洗い洗浄剤

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 1969年創業の佳秀工業(本社福岡県、寺本麓人社長)のヘルスケア事業部((電)093―701―1021)は10月16日、工場など現場で働く人を支える化粧品シリーズ「MW(ムウ)」を立ち上げると発表した。第1弾商品として11月1日、洗い上がりがしっとりする工業用手洗い洗浄剤「保湿ハンドクレンジング」(=写真、1本900グラム入り、税別1500円)を、全国の工場に向けて発売する。
 佳秀工業はグループ総従業員200人超を抱える金属加工会社。ヘルスケア事業部では、プラセンタの化粧品・健康食品の製造・販売を行っている。
 MWシリーズは、「手肌に問題を抱えている」「特に冬場は、乾燥や手荒れの状態がひどい」といった現場作業者(マニュアル・ワーカー)の声を受け、立ち上げを決めたという。ヘルスケア事業部が培ってきた、基礎化粧品開発のノウハウを生かして、商品開発を行っていく。
 同社の調査では、工場作業者の多くが手肌に関する問題を抱えていることや、そのほとんどが「仕方ない」とあきらめていることが分かったという。同社の寺本充寛常務取締役ヘルスケア事業部長は「工場で働く人が、『仕方ない』とあきらめなくて良い状況を作るのが、MWシリーズ立ち上げの目的。工場に導入してもらえれば、従業員満足度の向上にも役立つ」と話す。
 第1弾商品として発売する「保湿ハンドクレンジング」は、十分な洗浄力と保湿力を両立しているのが特徴だ。
 同社では、現場の手荒れは、仕事時だけでなく手洗い時にも引き起こされると分析。手荒れへのケアが可能な手洗い洗剤の開発を進めてきたという。
 従来の工業用手洗い洗剤には「消毒剤」「スクラブ剤」「アルカリ剤」といった、洗浄力の高い成分が配合されていることが多く、肌への負担が大きかった。同社では、工場の製造現場特有の汚れの原因を徹底的に分析。そうした汚れに対応する十分な洗浄力を備えつつ、保湿性もしっかりと持たせた手洗い洗浄剤の開発に成功したという。スクラブ剤が入っておらず、弱酸性で肌を優しく洗い上げる。
 169人の社外モニターを対象にしたアンケートでは、「よく潤う」「既存のものより潤う」など、同製品の潤いを実感した人が、84.6%にも上った。
 商品の販売は、会社・事業所単位で行う。同社では「工場の経営者や購入担当者の中には、洗剤が手荒れの原因になっていることすら知らない人が多いという調査結果も得ている。人手不足が叫ばれる中、従業員満足度の向上は重要な経営課題の一つ。製品の提供が、現場で働く人の大切な手を守り、働きやすい環境整備の一助になればうれしい」(寺本常務)と話している。
 なお、同社では、現場をさまざまな側面から支援する「現場プロジェクト」を推進している。MWシリーズはその一環という位置づけだ。同プロジェクトでは、現場の悩み解決商品の紹介、情報誌発行、コミュニケーションサロンの運営などを行っていくという。「金属製品製造という現場を持つ当社だからこそ、現場のより良い環境づくりにしっかりと取り組んでいきたい」(同)と話している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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