〈UA、アダストリア〉 システム移行で問題発生/旧システムに戻し、損失最小限に

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休止しているユナイテッドアローズのECサイト

休止しているユナイテッドアローズのECサイト

 ユナイテッドアローズ(UA)はこのほど、ZOZO(ゾゾ)グループのアラタナにECサイトの開発や物流について再委託することを明らかにした。自社ECサイトの運営は以前からアラタナに委託していたが、今秋から自社で運営する方針を明らかにしていた。アダストリアも8月、ECサイトの刷新直後にシステム障害が生じ、サービスを停止。旧システムに戻し、9月24日にサービスを再開した。決済手段の多様化やシステム連携の複雑化により、システム移行の難易度が高まっているようだ。
 UAは9月12日、ECサイトを刷新するため、サービスを一時的に停止していた。10月にはリニューアルしたサイトを開設する計画だったが、システム開発に遅延が生じ、サービスを再開できていなかった。
 「決済手段が増えたり、多岐にわたるシステムやアプリと連携したりするため、システム構造が複雑化している。システム開発に遅延が生じ、慎重を期すためにリニューアルオープンを遅らせる。アラタナに再委託し、11月27日にECサイトの再開を目指している。リニューアルのプロジェクトを断念するわけではなく、準備が整い次第、サイトを刷新する。アラタナへの委託はそのタイミングまで」(IR広報部)と説明する。


■オムニ施策を延期

 アダストリアは8月1日、グループの24ブランドを統合したECサイト「ドットエスティ」をリニューアルオープンした。しかし、システムの不具合により、同8日にはサイトを休止していた。
 ECサイトの安定稼働や早期のサービス再開を優先し、旧システムへの切り戻しを行い、9月12日にECサイトを再開。当初、サイトリニューアルで実現しようとしていたオムニチャネルサービスは、来期(21年2月期)以降に延期することを決めた。
 システム会社の担当者は、「リニューアルにおけるシステム障害は意外と多い。特に最近はECサイトにオムニチャネルの核となる機能まで求められるため、システムが複雑化している。リニューアルプロジェクトのかじ取り役であるシステムインテグレータ(SI)に経験やノウハウが不足している場合もある」と障害が多発する背景を分析する。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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