【2018年度 食品宅配売上高ランキング】 〈食品宅配売上高調査〉18社合計売上高2199億3100万円/高齢者向け弁当宅配が増収/顧客対象の絞り込みが業績を左右

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 本紙が実施した食品宅配企業の売上高調査によると、18年度の18社合計売上高は2199億3100万円だった。前年同期調査と比較可能な16社で算出した実質伸び率は3.4%だった。高齢者人口の増加に伴い、高齢者向け宅配企業各社の業績が依然好調を維持。百貨店系でも高島屋が手掛ける食品宅配事業が大幅に増収した。首都圏にエリアを限定し、外商顧客の取り込みに成功している。
 一方で、「ミールキット」を販売する企業は減収。共働き世帯を狙ったマーケティング施策が、ECや食品スーパーと競合しており、顧客獲得に苦心する。昨年に引き続き、顧客ターゲットを明確にして、的確な販促を打ち出しているのかが業績を左右した。
 ランキングトップは全国65のFCが加盟するヨシケイ開発(本社静岡県)で10年連続で首位を維持した。FCによっては、主力のミールキットは横ばいもしくは減収となった一方で、高齢者施設向けの開拓を進め、新たな領域への開拓も進める。
 2位のワタミは2期ぶりに減収。低価格帯の商品の販売が好調で、販売食数が増加したものの、顧客単価が減少したことが響いた。
 有機・低農薬野菜を宅配する企業では、オイシックス・ラ・大地傘下のらでぃっしゅぼーやと大地を守る会が、新規顧客獲得のプロモーションを抑制したことで減収した。
 高齢者向け弁当宅配では、4位のシニアライフクリエイト、6位のシルバーライフが増収を維持。武蔵野フーズも現状維持となった。
 食品宅配業界は、高齢者市場の拡大が続く中で、弁当や総菜など調理が簡便な商品のニーズは今後も高まるものとみられる。通販やECにはない、自社便による対面での販促活動で差別化を図れるのかが一段と重要になるだろう。

(続きは、「日本流通産業新聞」10月10日号で)

■掲載企業
・〈業界分析「ミールキット」〉参入目立つも業績不振/大地を守る会は撤退
・〈業界分析「ミールキット」〉【注目企業】ヨシケイ埼玉/復興支援で酒の販売開始
・〈業界分析「高齢者向け弁当宅配」〉FC系が加盟店増で増収/ワタミ、5期ぶり販売員増
・〈業界分析「高齢者向け弁当宅配」〉【注目企業】武蔵野フーズ/歩合給制度を導入
・〈業界分析「高齢者向け弁当宅配」〉【注目企業】ベネッセパレット/行政主催のイベントで接点
・〈業界分析「百貨店系宅配」〉高島屋、売上高2.2倍に/阪急キッチン関西は減収

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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