〈海外越境ECモールに新展開〉 アリババがコアラ買収/ロシア郵便は日本商品のEC開始

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いつも.の坂本守社長(写真左)とロシア郵便のニコライ・ポドグゾフ総裁

いつも.の坂本守社長(写真左)とロシア郵便のニコライ・ポドグゾフ総裁

 中国EC最大手のアリババグループは9月6日、ネットイースが運営する越境ECモール「網易考拉海購(コアラ)」事業を買収すると発表した。「コアラ」は中国越境EC市場でトップシェアを握っていた。アリババは越境ECモール「天猫国際(Tモールグローバル)」を運営しており、今回の買収で越境EC市場において過半数のシェアを握る見通しだ。
 「コアラ」は越境ECに特化したECモールとして中国内で顧客を獲得していった。中国の越境EC市場で3割近いシェアを握っている見通し。
 買収後も「コアラ」を残し、「天猫国際」と共存させる。アリババグループのダニエル・チャンCEOは「(中国の越境EC市場の)成長の可能性はまだ初期段階にとどまっている」と今後のさらなる成長に期待を示した。今後はチャネル別の特色をどう発揮するかに注目が集まる。


■高品質な商品求む

 ロシア郵便は9月6日、日本商品に特化した越境ECサイト「kupi japan」を開設することを明らかにした。9月5日、ECコンサルティング大手のいつも.(本社東京都、坂本守社長)と覚書を締結し、11月中に開設する。
 ロシア郵便と日本郵便が18年5月、郵便事業の協力に関する覚書を締結した。その関連施策としてロシアで日本商品の越境EC販売を実施することについて合意していた。日本郵便から国内のEC運営で実績がある企業としてパートナーに選ばれたのがいつも.だった。
 現在、ロシアの越境EC市場では中国が大きなシェアを握っている。中国の商品は安価で品質の低い商品が多い。ロシア郵便は日本に高品質な商品を求めている。化粧品や健康食品、ベビー用品、日用品、カー用品、スポーツ用品などが注力商品だという。
 19年11月にサイトを開設し、当初は首都のモスクワの顧客向けに販売する。来年2月以降に順次販売エリアを拡大する方針だ。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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