資生堂 18年1—6月期/中国EC事業が大幅成長/事業売上高の28%がEC売り上げ

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 資生堂は8月8日、18年1—6月期(第2四半期)の中国EC事業の売上高が、前年同期比40%増となり、中国事業の売り上げ構成比のうち、28%を占めたと発表した。同社の、店頭・ECの販売チャネルが、国境を越えて連携して販促を行う「クロスボーダーマーケティング」の施策が奏功。中国人の利用者が拡大したことが、中国EC事業の成長につながったとしている。
 資生堂の18年1—6月期の中国事業の売上高は前年同期比35.3%増の928億9500万円だった。そのうち、EC事業の売上高は、中国事業全体の売上高の28%を占める約260億円だった。中国EC事業が40%増収した背景には、日本・中国やその他の各国の空港の免税品店などが、シームレスに連携して販促を行う「クロスボーダーマーケティング」が奏功したとしている。免税品店や中国国内の百貨店などで商品を購入し使用した顧客が、ECで再購入する機会が増加したという。
 同社では17年12月期から、デジタルコンテンツの拡充も図っている。中国の有名ブロガーやインスタグラマーに、SNSのライブ配信機能で商品を紹介してもらい販売するといった施策も実施。増収の要因となったという。
 同社の魚住雅彦社長は投資家向けの説明会で、「中国EC事業の成長を受けて、今後、当社の主要取引先であるアリババとの戦略パートナーシップを強化する。アリババ本社が所在する杭州に資生堂の共同専門チームを常駐させるなどして、アリババが運営するECモール『天猫(T—モール)』専用の商品開発を行っていく」と今後の方針について話した。
 資生堂の共同専門チームは、アリババと密に連携を取り、顧客の購買データなどを分析しつつ、「T—モール」専門で販売する商品の開発を行っていくという。商品開発の開始時期などについては公表していない。
 日本国内のEC事業についても、同社の自社ECサイト「ワタシプラス」が好調で、18年1—6月期の売上高が前年同期比20%増となったとしている。日本国内でも、インフルエンサーマーケティングや、ミレニアル世代との関係構築を図る施策を行っていることが、成長の要因になっているという。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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