ポニーキャニオン/EC売上高60%増/CDなどEC限定商品が人気

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自社ウェブサイトでは7月1日に開設したECサイト「ムビきゃん」をPRしている

自社ウェブサイトでは7月1日に開設したECサイト「ムビきゃん」をPRしている

 音楽・映像ソフトメーカーのポニーキャニオン(本社東京都、吉村隆社長)のEC事業が好調だ。18年4—7月のEC売上高は前年同期間比で60%の増収だった。CDなどのEC限定版が人気を集めている。同社は、ECを含めた直販事業の売上高を、20年までに100億円に引き上げる計画だ。今後も付加価値のある商品企画を展開することで、売り上げ拡大を図る。
 ECは自社ウエブサイト、アーティストのウエブサイト、モール店で展開している。ECの会員数は120万人。映像商材を専門に取り扱うサイト「ムビきゃん」を7月1日に開設し、販路を拡大している。自社およびアーティストのウエブサイトでは、新商品を紹介する特設サイトを設けている。
 6月下旬、男性K—POPグループ「Wanna One(ワナワン)」のCD(税別2500円)をEC限定で予約・輸入販売したところ、7月18日までに8万枚を販売した。CDにはイベント参加チケットも付けた。
 「これからもK—POPアーティストのリリース予定があるので、『ワナワン』のような事例を作っていきたい。商品企画は継続的なテーマ」(コンシューマビジネス本部1部・太田潤一郎部長)と抱負を述べる。
 今期はカタログ通販を休止した。カタログ通販に充当していたリソースをECに移管している。現状、カタログ通販を再開する予定はない。
 通販カタログ「TVドラマの百貨店」を年4回、1回につき5万部発行していた。1冊のカタログ制作にかかっていた期間は約2カ月。売り上げ構成比率は18年3月期で通販全体売上高の10%にとどまっていた。送付料などコストもかかるためEC本格化へかじを切った。
 「カタログ制作にかけていたリソースをECに振り分けたことで、特設ページの開設や商品企画を同時に複数こなせるようになった」(同)と新体制を説明する。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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