〈ファッション通販〉”D2C”台頭の兆し/サザビーリーグはジュエリーで挑戦

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「Glossier」のエミリー・ワイス氏はC2Oでアマゾンとの差別化を図っている

「Glossier」のエミリー・ワイス氏はC2Oでアマゾンとの差別化を図っている

 顧客との直接的なつながりを生かし、商品やサービスで差別化を図る新業態「D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)」が、ファッション業界を中心に台頭の兆しをみせている。衣食住ブランドの企画販売を行うサザビーリーグ(本社東京都、角田良太社長)は4月3日、同社初となるEC限定のジュエリーブランドを発売した。チャットでのスタイリング提案や商品のオリジナルセット販売など、顧客と直接つながる「D2C」モデルの新業態として顧客獲得を推進している。

■”オムニ”が消えた

 ECコンサルティングのいつも.(本社東京都、坂本守社長)のグローバルEC事業部・立川哲夫部長は3月18〜23日、米・ラスベガスで開催された小売業向けカンファレンス「Shop TALK(ショップトーク)に参加した。カンファレンスでは世界有数の小売企業やIT企業が講演した。
 「イベントでは日本でまだよく聞かれる『オムニチャネル』というキーワードは消え、『D2C』というフレーズがさまざまなスピーカーから聞かれた。ECの先行企業や大手小売りの合間を縫って、メーカーやブランド企業が『D2C』モデルで切り込むといった構図がみられた」(立川部長)と話す。
 D2Cの代表例として紹介されていたコスメブランド「Glossier(グロッシエー)」は14年の登場から急成長を遂げているという。フェイスブック、インスタグラムなどのSNSで、モデルやファッションデザイナー、アーティストなど、さまざまな著名人のインタビューを発信している。
 ニューヨークやサンフランシスコにあるショールームでは、販売をせず、新規顧客への認知とサービスの体験を提供している。
 「創業者のエミリー・ワイス氏は、”本当の顧客の声を聴くこと”と”コミュニティーを作ること”がアマゾンとの差別化になると語っていた」(同)と話す。


■EC限定ブランド発売

 サザビーリーグ初のD2Cブランド「ARTIDA OUD(アルティーダ ウード)」は、ECサイトのみでジュエリーを販売している。実店舗を持たないことで、品質の高いジュエリーを比較的低価格で提供できるという。

(続きは、「日本流通産業新聞」4月5日・12日合併号で)

サザビーリーグの新ブランドでは商品のオリジナルセットを作り購入できる

サザビーリーグの新ブランドでは商品のオリジナルセットを作り購入できる

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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