無店舗販売食品市場徹底分析/再編、新規参入で競争激化/53社合計売上高は5857億円

 日本流通産業新聞社は10月、食品通販と食品宅配を手掛ける企業を対象とした「無店舗販売 食品売上高ランキング〈2016年度版〉」をまとめた。上位53社の合計売上高は5857億900万円で、前年同期調査の上位50社の合計値よりも160億6100万円増加した。前年実績と比較可能な19社で算出した実質伸長率は0.5%減だった。ランキング上位では、イトーヨーカ堂、オイシックスドット大地などECやネットスーパー系企業が売り上げを伸長。首位のヨシケイ開発は、フランチャイズ(FC)によって業績に差が出ているものの、FC合計売り上げでは横ばいだった。新規顧客獲得が苦戦したワタミは3期連続の減収だった。通販、EC、ネットスーパーといった複数のチャネルがミックスされた形で無店舗販売食品市場を取り巻く環境は厳しさを増している。

 ■献立キット人気が再燃
 ヨシケイやタイヘイが40年来販売してきたキット商品の市場が、食品宅配・EC業界で再び広がりをみせている。共働き世帯や子育て層の取り込みを狙う目的で、夕食(献立)キットの販売が活発化。ブームの火付け役となったオイシックスドット大地が販売する「Kit Oisix」は、17年6月末時点で600万食を突破した。ヨシケイ開発が16年5月に発売した新ブランド「ラビュ」は10月9日週で900万食を超えた。「時短」をキーワードにした夕食キットの人気は年々高まっており、一部の雑誌では「ミールキット」とも名付けられて定着しつつある。
 キット商材には大手企業やベンチャーなど新規参入も目立っている。食品スーパーの紀ノ國屋(本社東京都)は9月29日、三井物産と提携し、献立キットの販売を開始。ECベンチャーのブレンドは(本社東京都)は16年11月に「Tasty Table(テイスティテーブル)」を始めた。
 異業種からの参入やサービスの拡充では、家電のシャープが9月から、タイヘイやぐるなびと組んで「ヘルシオデリ」を開始。企業向けの弁当を販売するスターフェスティバル(本社東京都)も「ごちレピ」を始めた。いずれも、有名シェフが監修したレシピを売り物にしており、先行企業との差別化を狙う。

 ■食品宅配、業界再編が加速
 近年は、業界再編が相次いでいる。
 創業40年を超えるディナーサービス・コーポレーションを東海地区の大手スーパーが買収したほか、夕食食材宅配のショクブンもコメ卸大手の神明の傘下に入った。オイシックスドット大地は大地を守る会と10月1日付で経営統合した。食品宅配ランキングを見ても、ランクインする21社の中で、大手企業の傘下や大手グループとして事業を展開している企業が7社に上る。上位企業では、ディナーサービスと大地を守る会が再編されたことでこの動きは一段落しそうだ。

 ■異業種からの参入も相次ぐ
 異業種が食品ECに新規参入するケースも目立つ。丸亀製麺などを展開するトリドールホールディングスが参入したほか、16年11月にはアパレルのオンワードも事業進出した。各社とも「こわだりの食材」をテーマに事業を展開する。

(続きは、「日本流通産業新聞」10月12日号で)

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