トップアート/破産手続きを開始/売上不振で負債は13億円

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 美術工芸品などの通販を行っていたトップアート(本社東京都、寺内敬社長)は11月4日、東京地裁から破産手続き開始の決定を受けた。近年は不況のあおりで売り上げが低迷し、資金繰りもひっ迫していたとされる。今年10月には東京・銀座のショールームを閉鎖していた。帝国データバンクによると、負債は債権者108人に対し約13億円。
 同社のホームページによると、1951年(昭和26年)に山口市で開業し、世界の複製名画を販売して創業。75年10月、東京画材を設立。83年に社名をトップアートに変更した。
 主に全国紙の別刷りなどにカラー広告を出稿して新規顧客を獲得。既存顧客にはDMやカタログを送付して美術工芸品を通販展開していた。銀座や広島にショールームも開設するなど、2002年7月には売上高約43億円を計上していた。
 しかし、住環境の変化やマンション入居者の増加などから、掛け軸などへの需要が減少。マス媒体の効率悪化に伴い、広告出稿の縮小や販促費の削減で売上高は徐々に低下していた。
 11年10月には「ルノワール 春の花」という複製画を、「特別謝恩価格」(9800円)と「当社通常販売価格」(1万2000円)という二つの価格表記で広告出稿したことが有利誤認に当たるとして、景品表示法違反で消費者庁から措置命令を受けた。
 破産管財人は山﨑雄一郎弁護士(みとしろ法律事務所・(電)03―5282―3216)。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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