多くの通販企業にとって、新規顧客やリピーターの獲得コストの高騰が課題となっている。そんな中、顧客の根深い悩みに応える差別化されたニッチな商品と、それを伝える効果的な販促策で活路を開く企業がある。くせ毛特化のヘアケアブランドは、販売開始から3年間、広告費をかけずに年商2億円を達成した。ムーンムーンが展開する、睡眠障害向けの「光で起きるタイプの目覚まし」は、大手モールで販売されている光目覚まし時計の多くが5000円前後で販売されている中、その約3倍の価格で売れ続けている。深く狭く顧客開拓に成功している企業の戦略に迫る。
Curly Me(カーリーミー、本社大阪府、カーリーガールリン代表)が展開するくせ毛特化のヘアケアブランド「Curly Me」は、販売開始から3年間、広告費を掛けることなく、売り上げ2億円を達成した。今期(26年10月期)は前期比約50%増となる3億円の売り上げを見込んでいる。
広告費を掛けずに成長した背景には、同じ悩みを持つ顧客のコミュニティー化と、ファンと一緒にブランドを作る、代表自身の姿勢がある。
22年の最初の資金調達は、クラウドファンディングを実施し、目標金額30万円だったところ、124万5300円が集まった。インスタグラムのフォロワーが200人ほどのころから、ブランドの名前やロゴの決定、リニューアルの際は、必ず顧客にアンケートを取り、一緒にブランドを育ててきた。
■悩み克服から生まれる輪
最近ではファン同士が「埼玉オフ会」「仙台オフ会」という形で、自発的にリアルで交流する機会を設けることもあるそうだ。
カーリーガールリン代表によると、くせ毛当事者たちの悩みは想像以上に根深いのだという。
「幼少期から大人の理解を得られずに髪を切られたり、清潔感がないと言われてしまうこともある。ブランドを通じて、コンプレックスを強みや個性に変えている今を、『自分たちで祝いたい』と思えるぼどの熱量があるのだろう」(カーリーガールリン代表)と話す。
同ブランドは、くせ毛悩みの当事者だった代表が、日本のライフスタイルに合わせて開発した。髪をパサつかせがちなエタノールや、ベタつきがちなシリコン、ワックスを使わないことにこだわったという。梅雨の季節は特に、常に携帯している顧客もいるそうだ。
■睡眠障害の悩みに訴求
ムーンムーン(本社熊本県、竹田浩一代表)は、起立性調節障害などで朝起きられない人のための目覚ましライト「ムーンムーン」を販売し、順調に売り上げを伸ばしている。
音ではなく、光で起きるタイプの目覚ましライトは、大手ECモールにおいて5000円以下の商品もあるが、同社の「トトノエライトプレーン」は税込1万7800円と約3倍以上の単価でも売れ続けている。
8~28歳まで20年間、
(続きは、「日本流通産業新聞」 7月2日号で)
【悩みに応えるニッチ市場に勝機】”顧客目線”徹底でファン獲得/「広告費ゼロで成長」「単価3倍でヒット」実現(2026年7月2日号)
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