大手老舗のカタログ通販企業による変革が続いている。女性誌「ハルメク」を発行するハルメクは総合通販型から専門物販型への移行を開始した。あわせてカタログ配布形式の変更も検討しているという。セシールはリブランディングを実施し、同社初となるインフォマーシャルを放送した。既存顧客である50~70代へのさらなるブランド浸透を図る。大手老舗カタログ通販企業の生き残りをかけた取り組みに迫る。
日々の取材の中で、カタログ通販企業から「カタログやDMからのレスポンスが落ちている」「ECを含めたオンライン上の集客施策や販売に注力しなければいけない。だが効果的な方法が分かっていない」などの話を聞く機会が増えている。
今回取り上げる大手カタログ通販企業のほかにも、カタログ通販企業は業績の回復や新たな販路拡大のために、リブランディングなどを実施している企業が多い。
■専門型で高単価商品販売
女性誌で圧倒的な発行部数を誇るハルメク(本社東京都、宮澤孝夫社長)は現在、構造改革に取り組んでいる。専門物販型に移行し、競争力の高い「インナー」「コスメ」「ファッション」を重点カテゴリーとして強化している。従来よりも高単価な商品を販売することで、収益性の向上を図る。
「当社の調べによると総合通販を営む上場企業上位5社を対象とした通販事業セグメントの売上高の推移を見ると、やはり年々、売上高は減少している。一方で、専門通販の売上高は毎年右肩上がりで伸びており、当社としても事業転換が必要だと考えていた」(宮澤社長)と経緯を語る。
さらに、ハルメクの顧客は金融資産を多く持っている顧客も多く、これまでの商品だと高い資産を持つ顧客にフィットしない商品もあったという。そこで、低価格帯の商品数を減らし、高価格、高付加価値の商品を販売することにした。
「一例だが、昨年9月にカタログで『ピュアカシミヤステンカラーコート(14万9990円)』と『ベビーパールネックレス・ロング(14万8000円)』を販売したが、売れ行きは好調だった」(同)と話す。
26年3月期の第3四半期における「インナー」の売上高は20億9000万円、「コスメ」の売上高は27億1000万円と、どちらも前年同期を超える実績を上げている。
カテゴリーを独立させることで、カタログの配布方法を見直すことも検討しているという。
以前の取材で物販ビジネスユニット副ビジネスユニット長の川瀬卓氏は、「普段から『コスメ』の商品を購入するが、『インナー』の商品は購入していないお客さまの場合、『コスメ』のカタログのみ送って、『インナー』のカタログは送らないことも考えているという。お客さまが欲しい商品をダイレクトに訴求でき、カタログの効率化も図ることができるとみている」と話していた。
■既存顧客の幅を拡充
(続きは、「日本流通産業新聞」 5月14日号で)
【進む老舗通販企業の変革】ハルメクは”専門物販”に移行/セシールは既存の50~70代への浸透強化(2026年5月14日号)
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