【再成長する通販企業】アイリスは戦略転換でV字回復/アスクル、イーザッカも復活へ加速(2026年3月19日号)

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グランプリ受賞後に取材対応したアイリスプラザの岩崎亮太社長

グランプリ受賞後に取材対応したアイリスプラザの岩崎亮太社長

 アイリスプラザは今年、「楽天市場」「ヤフーショッピング」「au PAY マーケット」の各アワードで表彰されている。「au PAY マーケット」の「BEST SHOP AWARD 2025」では、総合グランプリを獲得した。受賞の背景には、コロナ禍後に家電から日用品(消耗品)に注力商材を変更する決断があった。環境変化に柔軟に対応し、周囲を巻き込む戦略転換が成功した。ランサムウエア攻撃によるシステム障害の被害を受けたアスクルや、経営破たんから再起を図る「イーザッカマニアストアーズ」も、復活に向けた取り組みを加速する。通販業界で巻き起こる復活劇に迫った。

 今年に入り、アイリスプラザの岩崎亮太社長が壇上で誉を得る姿を幾度と見た。
 アイリスプラザは、「ヤフーショッピング」の「Best Store AWARDS 2025」では家電、オーディオ、カメラ部門2位を受賞し、「楽天市場」の「楽天ショップ・オブ・ザイヤー(SOY)2025」では総合2位、家電ジャンル大賞を受賞した。
 そして「au PAY マーケット」が3月13日に開催したアワード「BEST SHOP AWARD 2025」では、総合グランプリに輝いた。
 岩崎社長はグランプリ受賞後のスピーチで「家電製品を中心にコロナ禍は非常に絶好調に数字が伸びた。ただ、私が社長に就任した22年をピークに3年続けて売り上げが大苦戦した。昨年、苦しい中で支えてくれたのは食品事業だった。一昨日が3・11だったが、東日本大震災の後、東北の農家の皆さんを助けたいという思いで始めた精米事業が、今度はわれわれを助けてくれた。改めて、人のために何かするということは、巡り巡って自分自身に戻ってくるんだというのを感じる1年だった」と振り返った。
 実はNTTドコモとオールアバウトライフマーケティングが運営するECモール「dショッピング」に「25年、最も伸びた店舗」を尋ねた際も、名前が挙がったのはアイリスプラザだった。

(続きは、「日本流通産業新聞」 3月19日号で)
役員会で戦略変更を決断

 アイリスプラザはアイリスオーヤマグループの企業として、アイリスオーヤマ商品を中心に、幅広い品ぞろえを誇るECサイトを運営している企業だ。
 アイリスオーヤマは生活用品を幅広く開発している会社だが、家電製品のイメージが強い人も多いのではないだろうか。実際に家電が業績をけん引してきた。
 コロナ禍が大きなターニングポイントとなる。コロナ禍初期は自宅内を快適にしたいという需要もあり、アイリスオーヤマグループのコストパフォーマンスの高い家電は売れに売れた。
 しかし、需要が一巡すると家電の売れ行きは悪化し、22年12月期はアイリスオーヤマグループとして、業績の公表を始めた13年12月期以降で初の減収減益となった。
 アイリスプラザの岩崎社長は「BEST SHOP AWARD 2025」総合グランプリ受賞後の囲み取材にて、「もともと家電の構成比が高かったので、コロナ禍後に大苦戦していた。そんな中で実は、アイリスオーヤマグループの取締役会でさまざまな議論を行い、『やはりここからは消耗品だろう』という話になった。とにかく消耗品を売る店舗に変化すると決め、舵を切っていた」と語った。
 事業転換を図る中、紙風も吹く。同社のもとに、政府が備蓄米を放出するという情報が届いた。岩崎社長が壇上で語った通り、震災後に精米事業を手掛けていた同社は、いち早く手を挙げた。政府備蓄米はアイリスプラザのECサイトでも販売し、売上拡大にも大きく寄与した。
 「コメ以外にも、紙おむつなどの事業を開始している。方針の変更について『au PAY マーケット』さんに相談し、ライブショッピングやサンプル配布など、さまざまな提案をいただき、たくさんのチャレンジをしたことが実を結んだと思っている」(岩崎社長)と話す。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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