【変わる美容機器市場】老舗が苦戦、新勢力が台頭/購入基準はネームバリューから実利へ(2026年2月12日号)

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Aiロボティクスのブラシ型美顔器「ELEKI BRUSH+(エレキブラシプラス)」

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 拡大する美容機器市場が、変革期を迎えている。調査会社のMordor Intelligence(モルドール・インテリジェンス)は、25年の日本の美容機器市場の規模を約442億円と推定し、30年には約848億円まで拡大すると予測している。順調な市場拡大の一方で、老舗企業と新興企業の世代交代が進んでいる、地殻変動が起きているようだ。長年市場をけん引してきた老舗企業の減収が目立つ一方で、消費者のインサイトを迅速に捉えた新興企業の躍進が顕著となっている。

■苦戦続く老舗企業

 80年代から体脂肪計などの美容家電を展開してきた、ヤーマンの減収が続いている。
 同社の通販部門では、テレビ通信販売業者を経由した個人や、カタログ通販会社、インターネット専売業者へ販売を行っている。
 25年4月期の同部門の売上高は、前期比21.0%減の33億3000万円にとどまった。24年4月期も同60.4%減と大幅な落ち込みを見せており、厳しい状況を脱していないようだ。
 25年5―10月期(中間期)においても、同部門の売上高は、前年同期比46.1%減と苦戦している。直販部門(インフォマーシャルやWeb販売)で一部復調の兆しは見られるものの、広報担当者は「直販部門も状況は芳しくない」としており、市場環境の変化への対応に時間を要している様子がうかがえる。


■”届け方”に乖離

 美容・化粧品の口コミ総合サイト「@COSME(アットコスメ)」を運営するアイスタイルの担当者は「老舗企業が技術的に乗り遅れたわけではない」と分析する。
 問題は、昨今の生活者が求めている情報の届け方と、ミスマッチが生じていることだと指摘する。
 「新興勢力メーカーの勢いの源泉は、美容医療を想起させるネーミングや、特定の悩みに特化した製品設計にある。消費者の『今、この悩みを解決したい』という衝動に対して、非常に高いキャッチアップ速度で応えているのが特徴だ」(同)と話す。
 一方、大手メーカーは、培ってきた信頼性や安全性の担保のため、どうしても商品開発のプロセスで慎重かつ長期化しがちだ。機能性においても「汎用的な多機能」に寄る傾向があり、今の自分の悩みに即効性を求める、昨今のニーズと乖離(かいり)が起きているのだと分析する。
 転換期となったのは、コロナ禍における「おうち美容」の定着だという。
 「外出自粛によりメイクへの投資が減った一方、自分と向き合う時間が増えたことで、スキンケアや美容機器への意識が高まった。時を同じくして、韓国文化の浸透により美容医療が身近なものとなり、いわゆる『肌管理(プロの手によるケア)』の習慣が一般化した」(同)という。
 その結果、23年ごろから老舗ブランド以外の選択肢も増え、「老舗ブランドの安心感」に加え、「美容医療と同じような効果を想起させるか」という、新興ブランドの戦略も生活者に受け入れられ、ニーズが多様化していると考えているという。


■スピードで席巻

 こうしたニーズを、的確かつ迅速に捉えている企業の1社が、Aiロボティクスだ。

(続きは、「日本流通産業新聞」 2月12日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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