消費者庁は1月22日に開催した「第1回デジタル取引・特定商取引法等検討会」で、消費者に意図しない選択をさせ、不利益な結果を与えるインターフェースやダークパターン広告を規制するかについて議論を始めた。検討会では複数の委員から規制を協議するべきと意見が上がり、優良な事業者にも影響が及ぶ不健全な現状に懸念を示した。これを踏まえて検討会では、悪徳事業者を排除し、グレーゾーンをつつく事業者に自制を促していく方向性を示した。対策に取り組むダークパターン対策協会(事務局東京都)が24年に行った調査では、ダークパターンによる消費者被害総額が年間1兆円以上あるとの想定を示している。消費者庁は2月に次回の検討会を予定、今夏にも中間とりまとめを行う。
■2月以降、具体的に議論
消費者をだまし意図しない選択に誘導し、不利益な結果を与える、インターフェースや広告を指すダークパターンは、現行法で取り締まれるものもあるが、販促との線引きが難しく取り締まり切れないものも多い。新しい手法や手口が次々に現れ、多岐にわたっていることから、検討会では法令による規制が望ましいとの意見があがった。
販促との区別は、消費者にとって有益な情報提供であるかどうかがポイントになると、事業者向けにダークパターン対策セミナーも行う染谷隆明弁護士は指摘する。
例えば「残りわずか」の表示は、消費者を焦らせるという理由でダークパターンに区分されるが、ホテルの予約ページにおいて、それが事実であれば、特定の日付の宿泊を探している消費者にとって、購入の判断材料になり得る。表示の手法を特定して規制することは難しいことが分かる。
今後の検討会における議論の方向性について、消費者庁は「現時点では法律で規制するのか、自主ルールで進めていくのかは決まっていない。2月の検討会以降、議論を進めていく」(取引対策課)と回答した。
ただ、ダークパターンの定義づけは難しい。検討会内では「悪質な広告・勧誘への対応」「意思形成をゆがめ契約に導く・解約を妨害する手法への対応」などが検討事項に挙がっており、ダークパターンの手法を決め打ちで規制する考えではないようだ。
法規制の行方について、染谷弁護士は「包括的な規制ができるのが良いが、日本の立法制度では難しいところがある。各業界や団体でガイドラインを制定していくというやり方も考えられるのではないか」と話す。
■定期、化粧品・健食で相談増
ダークパターンの使用は、購入形態では定期購入、商品カテゴリーでは化粧品や健康食品で目立つ傾向がある。
(続きは、「日本流通産業新聞」 2月5日号で)
【ダークパターン問題】 特商法検討会で規制の議論開始/定期購入トラブル増、広告含む表示再確認を(2026年2月5日号)
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