ファッションやコスメのECサイトにおける商品提案が高度化している。これまでは実店舗でしか提案できなかった「個人に似合うコスメ」「好きな服」などを可視化するソリューションが続々と登場し、顧客満足度や購買促進に貢献しているようだ。「楽天市場」でも9月18日からAI診断に基づくコスメの提案サービスを開始した。眼鏡ブランド「Zoff」では、AR(仮想現実)技術を活用したバーチャル試着の利用ユーザーのCVR(転換率)が全体と比較して約5倍になったという。”似合う”を追求する各社の取り組みをまとめた。
■新サービス続々
25年だけでもECモールの機能や自社ECサイト向けソリューションとして「似合う」を追求するサービスがいくつも登場している。AIによる画像生成や診断を通して、CVR(転換率)向上の成果が出ている事例もある。顧客の「購入に失敗したくない」「実店舗で接客を受けるのは緊張する」といったニーズに応えているようだ。
楽天グループは9月18日、ECモール「楽天市場」でAI診断によるユーザーに適したコスメを提案するコンテンツ「ビューティ アドバイザー」の提供を開始した。
「ビューティ アドバイザー」は、AIで診断したユーザーのパーソナルカラーや肌の状態、顔の輪郭などのパーソナルデータと、ユーザーが登録したプロフィールデータを基に、各ユーザーに適したコスメを提案する。ユーザーの「忙しくてコスメを買いに行く時間がない」「自分に似合うカラーが分からない」といった悩みに対して、コスメの選択をサポートする。
イキル(本社神奈川県、會澤茉那代表)は9月4日、ユーザーに適したアパレルを提案する機能「FuKuMikke(フクミッケ) マルチプラットフォーム」を公開した。
「イベントや診断で自分の骨格などは分かったものの、それに合う服が分からない」という課題に着目している。商品データにAIが判定した骨格やパーソナルカラー情報を付与し、ECサイトの絞りこみ機能とした。公式ラインアカウントから絞りこみ商品一覧ページの導線を組んだところ、CVRが通常ページと比較して約2倍になった事例があるという。
(続きは、「日本流通産業新聞」 10月2日号で)
【ファッションやコスメの商品提案が高度化】AI、ARで”似合う”追求/楽天が新サービス、ZoffはCVR5倍に(2025年10月2日号)
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