【成長する睡眠市場】 <参入多く差別化必須> 通販企業は”提案力”で成長へ/「楽天市場」の総流通額は6.4倍に(2025年5月22日号)

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楽天市場ECコンサルティング部・淺田はるか氏

楽天市場ECコンサルティング部・淺田はるか氏

 寝具、パジャマ、リラックスアイテムなどを扱う睡眠市場が拡大している。楽天グループの調査によると、「楽天市場」における睡眠関連商品(商品名や商品説明に「睡眠」のキーワードを含むもの)の24年の流通総額は、コロナ禍前の19年と比較して約6.4倍に拡大した。通販事業者はすでに睡眠関連商品の取り扱いが多いため、顧客の悩みや季節に合わせた提案をすることで、さらなる成長が期待できるだろう。

■今後も市場拡大を予測

 アフターコロナでも依然として健康意識は高く、睡眠に対するニーズも高い。「楽天市場」における部門別の流通総額は、「インナー・下着・ナイトウェア」カテゴリーにおいて「睡眠」のキーワードを含む商品は約1.8倍、睡眠中の室温調節に役立つ「エアコン」カテゴリーは約2.2倍、「サプリメント」カテゴリーは約7.2倍に伸長している。
 楽天グループは「アンケートを実施したところ、多くの人が睡眠の重要性を認識している一方で、睡眠に何らかの不満を抱えていると分かった。質の良い睡眠へのニーズが高まっている」(楽天市場ECコンサルティング部・淺田はるか氏)と話した。
 総合マーケティングビジネスを手がける富士経済(本社東京都、菊地弘幸社長)の調査では、睡眠サポート関連のセルフヘルスケア(一般用医薬品・医薬部外品、健康・機能食品、生活用品、機器、サービス)の24年度の市場規模は、前年比8.7%増の1904億円を見込んでいる。30年には23年比23.5%増の2162億円と予測している。
 「ニーズの高さとターゲット人口の多さから、今後もさまざまな分野からの参入が活発化するだろう。生活用品であれば、手軽さなどの強みを生かした商品開発が期待されている」(担当者)と分析した。


■悩みに応える提案

 通販事業「ベルメゾン」を運営する千趣会は、顧客の声を反映し、「寝具」から「ウェルネス」へと提案の切り口を変えている。25年春の「眠りの新提案」特集など、寝具以外にブルーライトカットの眼鏡などの商品を集めたコンテンツを公開している。女性の「冷え」の悩みに特化した「冷えとり」商品のラインアップも特集に入れて提案したことで、綿混のパジャマに注目が集まったという。
 「お客さまのアンケートから、”睡眠そのもの”の悩みがあることに気付いた。従来の寝具に特化した提案ではなく、快眠につながる多彩な商品を提案するようにした。強みである綿製品の支持も得られた」(ベルメゾン事業本部ホームファッション企画・開発チーム サブマネジャー岡田光司氏)と話した。
 睡眠関連商品として多ジャンルの商品を扱っているが、

(続きは、「日本流通産業新聞 5月22日号で)

ベルメゾン事業本部ホームファッション企画・開発チーム サブマネジャー岡田光司氏

ベルメゾン事業本部ホームファッション企画・開発チーム サブマネジャー岡田光司氏

「冷えからからだを守るもっちりコットンパジャマ」は冷え対策で袖と裾が長めになっている

「冷えからからだを守るもっちりコットンパジャマ」は冷え対策で袖と裾が長めになっている

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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