有力テレビ通販企業が時代に適応しながら進化している。多くの企業がコロナ禍の収束により、オフライン展開に注力し、新規顧客との接点を強化している。ジュピターショップチャンネル(本社東京都、小川吉宏社長)は、中期経営計画において、テレビとデジタル、リアルの連携を強化する戦略を掲げた。QVCジャパン(本社千葉県、伊藤淳史CEO)は、オフライン展開を強化するとともに、テレビCMも放送し、新たなチャネルでの顧客開拓を進める。有力企業の成長戦略に迫る。
■中期経営計画を策定
テレビショッピング番組「ショップチャンネル」を運営するジュピターショップチャンネルは今年、27年度を最終年度とする3カ年の中期経営計画を策定した。従来の「TV通販事業」から「TV・デジタル・リアルを連携させた新たなショッピングエンターテインメント事業」への変革を図る。
デジタル施策を強化することで、ECサイトでの顧客獲得を強化する。さらにポップアップショップなどを精力的に展開することで、「ジュピターショップチャンネル」を知らない顧客への認知向上を目指す。
今年2月には、東京・世田谷区二子玉川の蔦屋書店で「Pop Up Store by ショップチャンネル」を開催した。ポップアップショップは同社初の試みで、QRコードなどを設置し、ECサイトへの送客を図った。
来店者に向けて、「ショップチャンネル」のLINEの公式アカウントを友だち追加した上で、会場内に掲示している「合言葉」をトーク画面に入力すると、1000円オフのクーポンを配布する販促も実施した。
さらにSNSの公式アカウントをフォローした人に会場で販売中のジュースを進呈するなど、さまざまな取り組みで来場を促した。今後もポップアップショップの開設を検討している。
■QVCもオフライン重視
テレビ通販大手のQVCジャパンも昨年から、オフライン展開を強化している。
9月21~23日には、東京・有楽町の商業施設「東京ミッドタウン日比谷1階アトリウム」でオフラインイベント「QVC Kireiマルシェ」を開催した。
「1階で開催したため、施設の入り口には香水を用意し、入ってきた人に『なんか良い匂いがする』と少しでも興味を持ってもらえることを狙った。サッカー選手であるクリスティアーノ・ロナウドがプロデュースした香水なども用意し、興味を惹きつけることを目指した」(広報)と話す。
(続きは、「日本流通産業新聞」9月26日号で)
【テレビ通販企業の成長戦略】オフライン展開を積極化/新たな広告やライブ配信でも新規獲得(2024年9月26日号)
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