BtoB通販企業/PR商品戦略が多様化/メーカーとの共同企画も

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オフィス用品を取り扱うBtoB通販企業の商品戦略が多様化している。近年、プライベートブランド(PB=自主企画)商品を強化する企業が目立つが、アスクルは2月に発行した最新号でPB商品数を増やさず、メーカーと共同企画した限定商品を投入した。PB商品を強化しているカウネット(本社東京都、高橋家健一郎社長)は、最新号でもPBを継続して拡充している。これに伴い、カタログ展開にも各社の戦略に違いが見え始めている。

オフィスになじむデザインに
 アスクルは2月22日、カタログ「アスクル」の最新号を発行した。最新号では、約3万4600品目(前号比約600品目増)を掲載し、PB商品数は前号と同じ約6150品で全体の約18%を占めた。
 最新カタログでは、同社がメーカーと共同開発したアスクル限定商品の投入が目立つ。キリンビバレッジが開発したカフェインゼロの健康麦茶は、全16種類の絵柄を用意。会議など大勢が集まっても誰のボトルか識別しやすいようにした。
 花王と開発した消臭剤は最新カタログの表紙にも掲載している。天然石をイメージしたパッケージにし、店頭販売用の従来商品よりもシックなデザインにしてオフィスになじませた。
 同社は14年2月、ビッグデータの活用によるECマーケティングの実践を目指した「LOHACO ECマーケティングラボ」を立ち上げた。マーケティングや企画をメーカーとともに推進するもので、キリンビバレッジ、花王など55社(16年1月22日現在)が参加している。
 
PB専門の冊子も
 コクヨグループのカウネットは、PB商品を前面に押し出すことでシェア拡大を狙っている。カタログ最新号でもPBを前面に押し出したほか、PBの専門冊子も発行した。PB商品をきっかけに全商品の売り上げ向上につなげ、ロイヤルカスタマーの増加を狙っていく。
 2月15日に発行した「カウネットカタログ」と「カウネット家具カタログ」最新号は、合計で約4万3000品目(前号比約2200品目増)を掲載している。そのうち、PB商品は約7200品目(同約400品目増)で全体の約17%を占めている。13年には、3年以内にPB商品を5000品目まで増やす計画としていたが、これを大幅に上回るペースとなっている。
 同社は13年にPB商品戦略を一新した。低価格と品質を両立させた「カウコレプライス」と、付加価値型の「カウコレプレミアム」の2ブランドを展開。特に訴求を強化しているのが「カウコレプレミアム」で、最新号では約2100品目を掲載している。
 同社は「カウコレプレミアム」を「顧客の困りごとを解決するツール」として位置付けている。このコンセプトのもと、最新号では約500品目の新商品を掲載した。
 カタログ最新号に合わせて、「カウコレプレミアム」だけを350品目抜き出した専門冊子「お困りごと解決BOOK」も発刊した。商品を使用する前後で顧客がどのような困りごとを解決できたかなどを紹介している。

(続きは「日本流通産業新聞」3月3日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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