【住設訪販 2024年の動向予測】 再エネに脚光も販売は鈍化か/対面営業からウェブ集客も強化(2023年12月14日・21日合併号)

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 リフォームや外壁塗装、太陽光発電、蓄電池などを訪販で展開する住設企業の2024年の動向は、現時点で「曇り」となりそうだ。今年は、電気料金の高騰などで、省エネ商材への興味・関心が高まり、アポイントの取得や成約率の向上につながった。ポジティブな環境となったが、アフターコロナによる外出需要の増加や支出増、物価高などネガティブに転じた外的要因もあり、成長は鈍化している。脱炭素社会の実現に向けた政府の助成金支援が相次ぎ、住宅業界全体の動きは活況だ。次世代技術製品として、水素や曲がる電池などの製品も出てきている。ただ、住設訪販に限っては、新規参入による競争が激化している。そんな中、ウェブ集客などで新たな施策も始まっている。

■人材獲得に暗雲

 住設訪販では現在、人材の獲得が悩みの種となっている。24年入社の採用数は大半が固まってきたが、計画通りにいかなかった企業も多い。
 新卒採用の動向が変わってきたのは、22年の後半とされている。
 経済活動の正常化を迎えるアフターコロナを見据え、大手企業を中心に新卒の採用活動が急加速したためだ。当時、住設各社からは「採用動向に変化が表れ始めた」「思うように人材が取れなくなった」といった声が聞かれた。
 同時に、人材確保を進めようと、新卒採用者の給与面の待遇を良くする企業が増加した。人件費のアップは経営的に負担が大きいが、人材獲得を取り巻く環境の変化に対応するため、給与体系を変え、初任給を数万円上げた住設企業もある。
 しかし、対面営業を主とする住設企業には、一定の「離職率」が存在する。営業で成果が得られない、経営方針が合わないといった理由で退職していく社員は常にいる。
 待遇面を改善しても離職率はあまり下がらないという企業もある。このため新卒採用数は多く確保しておく必要があるが、採用が思うように進まず、採用コストも上昇傾向にある。
 住設企業にとって、採用の動向は会社の成長を左右し、業績に直結してくる。厳しい採用環境は24年の販売動向に暗雲をもたらしそうだ。
 一方、電気料金の高騰や対面営業の再開、各自治体による省エネ商材に対する助成金など、業界にとって明るい要素は複数ある。脱炭素社会に向けて、電気の自家消費モデルの構築などの動きも進む。企業の事務所の屋根や商業施設、工場、物流施設などの屋根には、太陽光発電の設置が当たり前になりつつある。
 市場環境としては追い風が吹くが、肝心な人材獲得が進まなくては、次の成長につなげられない可能性もある。


■ウェブ集客進む

 対面営業する住設企業では最近、ウェブ集客を強化する動きが広がる。

(続きは、「日本流通産業新聞 12月14日・21日合併号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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