楽天 中期経営企画/20年に国内EC流通5.2兆円に/年14%成長ペースで経済圏拡大

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「Vision2020」を発表する三木谷浩史社長

「Vision2020」を発表する三木谷浩史社長

楽天は2月12日、20年までの中期経営計画「Vision2020」を発表した。15年12月期に2兆7000億円となった国内EC流通総額を年平均成長率14%増で拡大させ、20年に5兆2000億円を目指す。現在約70のサービスを展開しており、楽天会員数は約1億600万人に到達した。「楽天スーパーポイント」が利用できるサービスをさらに拡充し、グループ内サービスのクロスユースを進め、楽天経済圏を拡大していく。
 今年1月から、「楽天市場」で買い物をする際に楽天カードや楽天モバイルの利用といった条件を満たすと、「楽天市場」における買い物ポイントが常時7倍になる新プログラムを開始。多くのサービスを利用するほどポイントなどが還元される仕組みを広げている。
 「楽天市場」では商品ジャンルごとに専門性を持ったサービスを提供する「ジャンル戦略」を掲げた。「出店者をサポートするECコンサルタント(ECC)やセミナーを通じた効果的な出店者支援も充実させたい」(三木谷浩史社長)としている。今期はECCの組織改編も実施した。
 ビッグデータの活用も積極化させる。これまで「楽天市場」「楽天トラベル」など事業ごとにデータを活用していたが、各事業が相乗効果を発揮できるデータ活用を実践し、ワン・トゥ・ワンのサービスを展開していく。
 海外のEC事業も収益性を高めるために各エリアに合った手法に事業を転換して戦略を修正していく。
 米国は14年10月に買収した会員制キャッシュバックサイト「Ebates(イーベイツ)」が順調に成長しており、15年12月期の流通総額は前期比43%増の49億米ドルだった。米国はすでにイーベイツを中心とした成長戦略の実行に移っている。
 東南アジアは物流のインフラなどがまだ整っていないため、市場規模はまだ小さいが、今後の成長エリアとして期待している。日本の「楽天市場」のようなBtoBtoCモデルのマーケットプレイスを推し進めようとしてきたが、今後はモバイルアプリを活用したCtoC戦略に切り替えていく。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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