LINEヤフー 23年4―9月期/ショッピング取扱高6.7%減/坂上CFO「効果的な販促を見極めている」(2023年11月09日・16日 合併号)

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出澤剛CEO

出澤剛CEO

 LINEヤフーの23年4―9月期(第2四半期)の国内ショッピング取扱高は、前年同期比6.7%減の7762億円だった。坂上亮介上級執行役員CFOは「国内ショッピング取扱高は、ZOZO(ゾゾ)やアスクルが好調なことが大きい。『ヤフーショッピング』に関しては、効果的な施策を見極めながら、販促を展開している」と説明する。
 ショッピング取扱高は、「ヤフーショッピング」「LINEギフト」「ヤフーマート」「ZOZOTOWN」「LOHACO」「LINEショッピング」などの売り上げを含む。
 ZOZOの23年3月期の商品取扱高は、前期比7.0%増の5443億1700万円と拡大した。アスクルも23年3月期において、BtoC事業の営業利益が黒字化するなど、「ZOZO、アスクルとのシナジーでコマース事業をけん引している」(出澤剛CEO)と話す。
 LINEヤフーでは、「ヤフーショッピング」の運営方針について、昨年から大きく変更している。大規模なポイント還元施策は頻度を落とし、より効率的な販促展開に重きを置いている。このことが影響し、純第2四半期の国内ショッピング取扱高は3982億円と前年同期を730億円下回った。
 その中でも「ヤフーショッピング商品券」の発行など、効果的な販促を行い、「ショッピングは改善傾向が継続しており、想定内の着地だった」(出澤CEO)と強調する。


■三つの柱を重視

 今後のコマースの強化策として、(1)LYPプレミアム会員の開始(2)コマース検索の強化(3)LINEリニューアル─などを実施していく。
 11月29日に提供を開始する会員サービス「LYPプレミアム」では、既存の「ヤフープレミアム」で提供してきた「ヤフーショッピング」の買い物がお得になる特典のほか、新たに1200万以上の対象スタンプ使い放題、好きな音楽を着信音に設定できる特典などを提供する。特典に興味を持って会員になった顧客が、「ヤフーショッピング」で商品を購入することを目指す。
 ヤフーショッピングにおけるコマース検索機能も強化する。「ヤフージャパン」から「ヤフーショッピング」への流入拡大を目指す。
 LINEアプリのリニューアルも予定しており、アプリ内にショッピングタブを設置する計画もある。
 「この3本軸でさらにお得で便利なコマース体験を提供していく」(出澤CEO)と意気込みを示す。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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