〈メーカー系通販〉 拡大に向けた動き続々/ライオンは通販事業の組織再編

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大手メーカー2社が相次いで、通販事業のさらなる拡大に向けた組織再編にかじを切った。ライオンは1月1日付で通販事業を事業本部として独立させる組織再編を実施。武田薬品工業は2月3日、通販事業を含む一般消費者向け事業を分社化すると発表した。
 機能性表示食品などの通販を手掛けるライオンは1月1日付で、通販事業に関する組織再編を実施した。同社の通販事業部はこれまで特販事業本部にぶら下がる形だったが、今回の組織再編でウェルネス・ダイレクト事業本部として独立した。
 組織再編の理由について同社は「規模が大きくなってきた通販事業のさらなる拡大が目的」(コーポレートコミュニケーションセンター)と説明する。今回の再編により、「意思決定のスピードが増すことは間違いない」(同)としている。「今後の通販戦略や目標数値などについては、「現段階で明らかにできることはない」(同)としながらも、「〝エビデンスのある商品の拡販〟には重きを置いているため、機能性表示食品制度のさらなる活用は事業強化推進の範疇(はんちゅう)ではある」(同)とコメントした。
 化粧品シリーズ「グラフィエ」の通販などを手掛ける武田薬品工業は2月3日、通販事業を含むBtoC事業を分社化すると発表した。新設する会社の名称は「武田コンシューマーヘルスケア株式会社」。本社は大阪府に置く。武田薬品工業のBtoC事業部責任者である杉本雅史氏が代表取締役に就任する予定。16年4月に設立し、17年4月より事業を開始する。
 新会社は、武田薬品工業の通販を含む、一般消費者向け事業を承継する。同社では「(新会社設立が)通販事業へどう影響するかはまだ分からない」(コーポレートコミュニケーション)としながらも、「スピード感が増すことは間違いないと思っており、通販事業を拡大するきっかけにはなり得る」(同)と話している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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