ジャパネットたかた/食品の新ブランド始動/星4・1以下は即改善、年20%成長狙う(2023年9月21日号)

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 テレビ通販事業を展開するジャパネットたかた(本社長崎県、高田旭人社長)は9月15日、食品のみを取り扱う新ブランドの提供を開始した。新ブランドでは、「お客様レビュー」で5点満点中4.1以下の商品は即時、改善するという。質の高い商品を提供するブランドとして、毎年20%増のペースで売り上げ拡大を目指す。
 「たべる。ジャパネット」は、品質管理にこだわった、食品のみを販売する新ブランドだ。全国の名産品や有力メーカーの食品などを厳選して取り扱う。商品の選定時、製造時、出荷後の三つの軸で品質を確認・管理することに注力する。
 食品専任バイヤーが仕入れる商品を厳選している。生産者やメーカーと連携し、商品の品質、衛生、製造、出荷のタイミングに品質を確認する。食材の育ち方は正常か、温度管理は適切か、肉の並べ方は問題ないか、入れ間違いが起こっていないかなどを確認するという。
 出荷後はレビューを確認し、顧客が平均星4.1以下の評価を付けた場合は、メーカーと掛け合い、商品の改善に取り組む
 バイヤーのほか、制作スタッフやコールセンターなども新ブランド専任のチームを設けた。家電とは別の主力ブランドとしての成長を目指していく。
 「『たべる。ジャパネット』専任チームを設けることで、コミュニケーションを円滑に取ることができる。顧客から『このような声を寄せられた』ということがあったとき、コールセンターチームからその内容をすぐに制作チームに連絡することができる」(バイヤー部・勝野友介ゼネラルマネージャー)と説明する。
 ジャパネットたかたは過去、食品を多く取り扱い、顧客の声を商品改善に反映することに注力してきた。シャインマスカットを発売したとき、「甘くない」「粒が落ちている」などの声を寄せられ、「お客様レビュー」が星2.71だったことがあった。
 「そこで、糖度測定の回数を増やしたり、輸送試験を行って袋包装に変更したりすることで星4.37に改善することができた。『たべる。ジャパネット』でも、引き続きこのような改善を徹底していく」(同)と話す。


”伝え方”も異なる

 食品ならではの売り方にも磨きをかけている。同社のテレビショッピングの顔としても知られる塚本慎太郎氏は、食品に関して売るための確固たるスクリプトはまだ作れていないという。
 「家電は機能性と実際に使ってみたところを放送すると理解されやすい。だが、食品は人によって、感じる味が異なる。シャインマスカットを甘いと感じる人もいれば、ちょっと甘さが足らないと感じる人もいる。そのため、食品では顧客から寄せられた声を多く番組内で紹介し、理解浸透を目指していく」(塚本氏)と話す。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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