日本ECサービス/グリニッジと経営統合/シナジー創出、25年中の上場目指す(2023年9月7日号)

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む
グリニッジの田中裕之社長(左)と日本ECサービスの清水将平社長

グリニッジの田中裕之社長(左)と日本ECサービスの清水将平社長

 EC事業者向け会員サービス「ECマスターズクラブ」を運営する日本ECサービス(本社東京都、清水将平社長)とEC事業者向けSaaS事業を運営するグリニッジ(本社東京都、田中裕之社長)は9月7日、両社の持ち株会社となる「株式会社ECXグループ」を新設し、グループ経営体制に移行すると発表した。両社の支援企業数は延べ1万社を超えており、有料サービスだけでも5000社超(重複を除く)が利用する。会員サービスとSaaSのシナジーを高めることで成長を加速し、25年中の株式上場を目指す。
 11月中に持ち株会社を設立し、日本ECサービスとグリニッジが完全子会社となる。持ち株会社の代表取締役会長にグリニッジの田中社長、代表取締役社長に清水将平社長が就任する。
 日本ECサービスが運営する、モール出店者を中心とした会員サービス「ECマスターズクラブ」の会員数が6600社(有料会員2500社)に拡大している。22年から事業譲受したLINE配信サービス「LSEG」は、1500店が利用するサービスに成長している。
 今回の経営統合を機に、「LSEG」をグリニッジに譲渡する。日本ECサービスは会員サービス事業に特化し、グリニッジは3000店以上が利用する楽天レビュー促進ツール「らくらくーぽん」など、SaaSの開発・運営に集中する。
 日本ECサービスの清水社長は、「グリニッジとはターゲットが似ているが顧客の被りは少なく、SaaS運営のノウハウや体制も整っていることから、一緒に事業を行う可能性を感じた。グリニッジのSaaSの利用者獲得にも貢献できる」と話す。
 グリニッジの田中社長は、「サービスが成長し、管理部門の業務も増えてきた中で、得意領域であるSaaS事業に集中したいという思いがあった。日本ECサービスと手を組むことでSaaSをより強化でき、付加価値のある顧客サポートも提供できると考えた」と話す。
 経営統合後は、両社の事業領域を明確化し、それぞれのサービスのシナジー創出に注力する。新たなサービス開発にも着手する見通しだ。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ