楽天グループ/併用率5倍の30%へ/ECとフリマの相互利用策を強化(2023年9月7日号)

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コマース&マーケティングカンパニー 執行役員 市場編成部 ジェネラルマネージャー 高間真里氏

コマース&マーケティングカンパニー 執行役員 市場編成部 ジェネラルマネージャー 高間真里氏

 楽天グループは9月1日、ECモール「楽天市場」とフリマアプリ「楽天ラクマ」の連携を強化する施策を発表した。新たに併用を促進するポイント施策やテレビCMの共同放送を開始した。「楽天市場」から「楽天ラクマ」への送客策や、「楽天市場」購入商品の「楽天ラクマ」への出品支援策も強化している。両サービスのクロスユース(併用)率を早期に、現状の6%から30%に高めたい考えだ。
 9月4日から、「楽天スーパーSALE」期間中に「楽天ラクマ」で1000円以上買い物すると「楽天市場」「楽天ラクマ」利用時の「楽天ポイント」付与率を「+1倍」にするキャンペーンを開始した。8月の「お買い物マラソン」でも同様の施策を実施しており、「楽天スーパーSALE」にも適用した。
 さらに、9月4日から「楽天スーパーSALE」「楽天ラクマ」共同のテレビCMの放送を開始した。「楽天スーパーSALE」のCMと続けて、「楽天ラクマ」のCMを放送し、セール期間中のポイント施策を紹介して、相互利用につなげる。


■購入商品を手軽に出品

 「楽天市場」で購入した商品を「楽天ラクマ」に出品しやすくするサービスも強化する。
 不要になった商品を購入履歴「持ち物リスト」から簡単に「楽天ラクマ」に出品できる機能を実装している。「楽天ラクマ」アプリでは今年1月から提供しており、「楽天市場」アプリでは同8月下旬から実装したという。
 22年10月から、「楽天市場」の商品検索結果に「楽天ラクマ」で出品されている関連商品情報を表示する取り組みも実施している。
 「ファッションなど『楽天ラクマ』が強い一部のカテゴリーにおいて検索結果への表示を始めている。表示を開始してから良い反応をいただいている。『楽天市場』のお客さまは、ほしい物が決まっており、『楽天ラクマ』における転換率は高い」(コマース&マーケティングカンパニー ラクマ事業部 ジェネラルマネージャー 長谷川健一朗氏)と話す。
 「楽天ラクマ」を新規利用した顧客は、「楽天ラクマ」を利用したことがない顧客と比較して、「楽天市場」における年間購入金額が8%高いという結果も出ている。「楽天市場」顧客に「楽天ラクマ」の利用を促すことで、「楽天市場」の利用促進にもつながるという。
 「『楽天市場』のお客さまの4割が何らかのフリマアプリを利用している。『楽天ラクマ』を併用しているお客さまは、まだ6%程。相互利用の取り組みを強化することで、クロスユース率30%への到達は意外と早くできるのではないかと思っている。併売ユーザーは1000万人以上を目指す。競合サービスではそれ以上のアクティブユーザー数を持っている。1000万人は通過点だと考えている」(コマース&マーケティングカンパニー 執行役員 市場編成部 ジェネラルマネージャー 高間真里氏)と話す。

コマース&マーケティングカンパニー ラクマ事業部 ジェネラルマネージャー 長谷川健一朗氏

コマース&マーケティングカンパニー ラクマ事業部 ジェネラルマネージャー 長谷川健一朗氏

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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