澤井珈琲/イメージデザインを提訴/「楽々通販2」問題で

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 コーヒーのEC事業を展開する澤井珈琲(本社鳥取県、澤井幹雄社長)はこのほど、「楽々通販2」を運営していたイメージデザインに対し、損賠訴訟を起こしたことを明らかにした。「楽々通販2」はシステムへのログインができなくなっている。請求額は、同サービスのカスタマイズ費用など2780万円。「EC業界の代表として許せない。死活問題となっている小規模なEC企業のためにも、罰を与えるべき」(澤井理憲常務取締役)と話す。
 同システムへのログインができなくなったのは4月25日。一元管理システムであるため、顧客へのメール連絡などもできなくなってしまったという。「当初、問い合わせると、今日中に直るとの回答だった。だが4月26日、27日になってもログインができなかった」(同)と言う。
 不審に思った澤井氏は4月27日、帝国データバンクに調査を依頼。記載の住所には誰もおらず、郵便などもそのままだったという。「確認してもらったところ、23年1月には、キャッシュアウトしていた。にもかかわらず、その事実を隠し、発覚したのは3カ月後だった。その期間にも、補助金を使って数百万円投資した企業もあったと聞いている」(同)と話す。
 同社では、出荷状況が分からない注文が約2万5000件に達した。連日、2000件を超える問い合わせがあったという。「連絡もできず、対応もできない。その間販促活動もできなかった。その分の被害総額は、相当なものだ」(同)と言う。
 「売り上げの損失に関しては、不透明な部分もあり、まだ賠償金には含めていない。まずは確定しているシステムのカスタマイズ費用という形で請求し、裁判所にも訴状が受理された。問題があったにも関わらず、3カ月にわたりEC企業をだましていたと言っても過言ではない。被害を受けた企業を代表して、今後も毅然とした対応を行っていく」(同)と話している

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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