MonotaRO 中間期/売上13%増の1193億円/増収もインフレ懸念(2023年8月3日号)

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鈴木雅哉社長(写真右)と専務執行役・経営管理部門長の甲田哲也氏

鈴木雅哉社長(写真右)と専務執行役・経営管理部門長の甲田哲也氏

 MonotaRO(モノタロウ)の2023年1―6月期(中間期)における単体売上高は、前年同期比13.0%増の1193億4700万円だった。営業利益は、同17.6%増の159億2300万円。
 大企業向けの集中購買システムによる販売が伸長し、売り上げは同35.4%増の319億9300万円となった。その他の注文の単価や回数も増加している。
 登録口座数は、23年6月末時点で約857万件と、22年12月末から約57万件増えた。
 増収増益となった一方で、計画値を下回る項目が目立った。専務執行役・経営管理部門長の甲田哲也氏は「インフレの影響が表に出てきた可能性が高い」と今後に懸念を示した。
 ウェブ戦略で成長を続けてきた同社は、今期からチラシの配布による販促の強化に取り組んでいる。
 同社のチラシは、企業のデータや購買履歴などのデータをもとに制作されたパーソナライズされたもの。半年に1回程度送付してきたカタログを廃止し、新たな販促手法の一環として取り組むツールでもある。
 20~30ページ建てで、リテール商品やレコメンドアイテムなどを掲載し、購買意欲を高める高度な提案が強みとなっている。
 代表執行役社長・鈴木雅哉氏は、チラシ展開について「チラシによる成長はなだからになった」と話す。また、今後の課題についても言及し、「当社の提案力に慣れてしまうため同じことをしていてはいけない。商品の設計力も含めたストーリー作りというものが必要になってくる」とした。
 7月27日の決算説明で、「注文受付時間の延長」を示唆した。
 現在、同社の当日出荷は平日15時を最終受付としている。ただ、今回の説明会では、「何時まで延長するか、時間は決めていない。しかし、15時以降でも対応できる体制を目指したい」とした。
 受付時間の延長には、同社を利用する顧客に対する満足度や利便性の向上、販売戦略などが背景にある。
 一方、通販EC業界も含めた小売業全体で物流の24年問題への対応に追われている。こうした渦中でも「当社としては、今まで以上に、仕入れから在庫管理、配送までのサプライチェーンをより高度化して対応を図っていく」(鈴木社長)と強調した。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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